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春まだ早い八ヶ岳 編笠山
(2006/4/29〜30)

 4月30日(2日目)


赤岳をバックに 編笠山

小屋開き当日の湿けった布団を敷いて潜り込んで完全に熟睡し目が覚めてみると,翌日の朝となっている。外気はちょうど零度で風もあり,権現岳は雲にすっぽりと覆われている。小屋の周りでは小雪がちらついている。

 2002年5月下旬,金峰山と瑞牆山に登った勢いで,翌日県界尾根を赤岳へと登った。大天狗から先はすっかり雪に埋もれていて,鎖場の鎖も雪の下にある。何とか鎖場を抜けて赤岳展望荘への夏道をトラバースしようとしたものの,アイゼンもピッケルもない急斜面の雪渓で進退窮まり,ここで落ちたら沢まで一直線で行ってしまうだろうなと思った。小屋は目の前に見え,人の談笑する声もはっきり聞こえる。しかし足は前に進まない。

 そのようなことも思い出しながら,ライブカメラで見た岩場の雪と今朝の天候を重ね合わせると,権現岳では相当の困難や危険が伴うのではないかなと思ったが,朝食後のミィーティングで衆議一決,編笠山を越えて観音平に下りることとなって安堵する。小屋の主にコーヒー豆を挽いてもらって,雪を溶かした水で作ったコーヒーを出してもらい,全員でゆっくりした山小屋の朝の時間を堪能する。


下山の日の編笠山頂上

 編笠山の南面は想像にしなかった急斜面で,アイゼンの歯をしっかりと効かせながら下山する。しばらくぶりの残雪の稜線を歩く縦走は,心をも体をもすっかり覚醒させたようだ。


編笠山から観音平へ向け下山


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