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紅葉の姿見 吹雪の旭岳
2003/ 9/20



エゾオヤマリンドウ

大雪山の紅葉は,9月13〜15日の3連休に最盛期を迎えていたものの,台風の直撃で山に登るのを見合わせ,近場の定山渓天狗岳に変更した。今回は,旭岳頂上から白雲岳に登りキャンプ場で寒さ体験後,翌日間宮岳,中岳温泉,裾合平を経て姿見に下りるルートを計画した。

 ところが,夜半に到着した駐車場で仮眠をと思ってシュラフを探すが,ザックの中にない。パッキングし忘れの大チョンボであり,車内とは言えシュラフカバーだけで寝たものの寒くて我慢ならず,震えながらうとうとし夜明けを迎える。既に厭戦気分ではあるが,せめて旭岳の往復だけはと、ロープウェイを使わず登山を開始する。


旭岳頂上

9月2日にヒグマが現れたとのことで,カウベルを鳴らし紅葉・黄葉を眺めながら姿見に出ると,そこは人・人・人。旭岳への登山道にも多くの人が張り付いている。姿見からは天候が悪化し気温は上がらず,ついに頂上では雪がなぐりつける状態となった。しかし,そんな中でしっかり昼食を摂っているグループがある。

 雪は断続的に降り,気温も相当低く,濡れた手袋の指先がとても冷たく,凍傷に至る気配が感じられたので,おにぎりをほおばってそそくさと下山とする。姿見を俯瞰するところでいったん陽がさすが,姿見からしばらく歩くと雨が降り出して,スラックスを濡らす。

盤ノ沢から天女ヶ原を経由し姿見川に沿って旭岳温泉のロープウェイ駅に出て無事下山となる。急な雨で下りの客が殺到し,ダイヤが乱れているとのアナウンスが聞こえてくるが,多少濡れはしたものの,紅葉と終りかけのリンドウを見ながらの静かな登山道歩きは,健康維持のための運動とロープウェイの料金節約の一石二鳥と思えば長い下りもなんのその,愉快な山歩きである。

旭岳温泉の宿で日帰り温泉を利用し,1人でゆっくり湯船を独占して,しっかり体を温めて帰途に着いたが,ものは試しと富良野に出て,桂沢湖から岩見沢に抜ける山道を通っての快適な夜のドライブができた。

 初冠雪の旭岳に登ってテント泊を計画しながらシュラフを忘れる大ボケをかまし,ゴアのジャケットとフリースを持ったもののレインウェアを持たず,夏用のグローブで雨に濡れると指先が痛いほどの寒さに遭うなど,注意力散漫の山登り,中途半端な装備での山登りをしてはいけないという再確認をした山行であった。


チングルマ


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