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北アルプス・フラワーロード テント泊縦走記 2011

蓮華温泉から朝日岳
(その2)
2011/ 7/16


ハクサンコザクラ (10:28)


 7月16日(土)の2 

 どうにかコースタイムで歩いている。しかし、出迎えてくれる花々をデジカメに収めながらコースタイム通りに足を進めるにもなかなか困難が伴う。それにテントを背負っているのだから、並大抵のことではない。朝日小屋までのコースタイムは8時間程度である。ところが、いわゆるシャリバテが襲ってくる。だんだん歩みが遅くなってしまった。登山道わきに多くの花々も待っていてくれる。そのたびに足が止まる。


五輪高原 (10:26)

 それに、重いザックを背負ったまま低い位置の花たちをカメラに収め、再び立ち上がるのはスタミナを奪う。かといって、いちいちザックを下ろすわけにもいかない。この区間では約120回デジカメのシャッターを切っているから単純に1回当たりの所要時間を30秒としても、1時間はそのような動作を行った計算になる。しかし、次々と姿を現す花たちを記録しないわけにはいかない。


ムシトリスミレ (10:45)

 ムシトリスミレは蛇紋岩に多いようだ。この花を北海道の夕張岳で見たが、今回は、蓮華温泉に下りる手前の天狗の庭で、本縦走中最初のムシトリスミレを見たのだった。五輪高原にもムシトリスミレが多くあった。ここも蛇紋岩で成り立っていることが分かる。このほかでは吹上ノコル、雪倉岳、鉢ヶ岳のトラバース道、八方尾根などでも同じような植生であったのだが、我々人間と違って植物たちは自分の立ち位置をきちっと持っているということに感心する。


ミズバショウ (10:55)

 ミズバショウやリュウキンカが雪田の周りや雪渓からの水の流れに従って咲いている。そこは水が多すぎるのでハクサンコザクラは少し小高いところか、登山道脇に多く咲いている。やがて「青ザク」と呼ばれるガレ場に着くと、タカネナデシコ、シモツケソウ、シロウマアサツキ、タカネバラが咲き乱れている。青ザくからは雪倉岳の展望がいいのだが、今日はガスで覆われて見ることができない。


タカネナデシコ (11:08)

 青ザクからは低木帯となりイワカガミが多くなるが、再び雪田や雪渓が現れると多くの花で賑やかになる。2006年にここを歩いたときには雪渓にベンガラは撒いてなかったし、ましてや歩きやすいように雪を切るなどのこともなかったが、今回は要所要所が丁寧に作業されていた。ありがたいことだが、10本歯のアイゼンの出る幕はなかった。


シナノキンバイ (12:26)

 太陽は容赦なく照りつける。シャリバテも出てきた。なのに花々は次々と途切れることなく現れる。沢の水、雪渓からの水を口に含んで涼を取る。しかし、手は1分と水に浸けてはいられない。ミズバショウやリュウキンカはよくこのような環境でよく育つ。


リュウキンカ (12:31)

 目指す朝日岳はまだまだ先にあります。ただひたすら歩くしかない。すれ違う人もいないし、追い越していく人もいない。


雲に隠れた朝日岳 (12:38)


オオサクラソウ (12:41)

 草原状の場所や樹林の際に色鮮やかなオオサクラソウが咲いている。ハクサンコザクラ同様、オオサクラソウは好きなサクラソウ科の花の一つだ。このグループのオオサクラソウの写真を取り、他のを取らないでいると、「え〜、そうなんですか。」というような声が聞こえそうだ。しばらく行って振り返ってみると、先ほど見た時よりさらに色鮮やかに感じる。


イワカガミ (12:56)

 今までほっぱらかしにしていたが、イワカガミは延々とほとんどどこにでもあった。ただ、ここの集団は花弁を上げ何かを主張したがっているようだったので、初めてカメラに収めたのだった。そろそろ最後の長い雪渓に取り付かなければならない。ステップを切ってあるのでどうと言うことはない。雪渓周囲の花々が気になる。


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