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神々の遊ぶ庭 
大雪山縦走
天人峡〜化雲岳〜トムラウシ山〜五色岳〜忠別岳〜白雲岳〜間宮岳〜中岳温泉〜旭岳温泉
2003/ 7/19〜23


                             

※ 2009年7月、北海道・大雪山系の山(ニペソツ山・美瑛岳)で不幸にも多くの方の遭難事故が発生しました。このサイトの5日目にも記載してあるように、荒天でなくても気温が相当程度低下し、登山道が結氷する寒さになることがあります。必要な防寒対策、悪天候対策をした上で、楽しい縦走をなされることを望みます。



天人峡から化雲岳への登山道 第一公園

 「大雪の山 峰遠く 緑の続く 幾十里」という歌詞で始まる歌は,我が小学校の校歌であるが,そのころは,表大雪に連なるふるさとの山の存在自体が登山の対象の山とは認識できずにいたわけで,山登りを始めてからも,遥か本州からやってきて,事情を知らない大雪山を,まして単独で縦走することなどは実現可能な夢物語であった。しかしながら,かなわぬ夢とは知りつつ登山地図だけは買って,机上登山に耽っていたのであった。平成15年春,北海道での勤務が内示され,さっそく用意したのが北海道の登山ガイドブックであり,大雪山を思う存分縦走して楽しむためのテント装備一式であった。

大雪山縦走は,花の最盛期に敢行することとし,5月のアポイ岳登山から,大千軒岳,夕張岳,大雪山縦走の前週に登った暑寒別岳などの10回の山行で体力作りがほぼできあがったことから,予定通り縦走準備を進めた。
 今回の縦走は,大雪山入山前日の旭岳の麓での前夜泊を含め,テント泊が4泊で,縦走路では水以外の物の入手は不可能なことから,山行のための荷物は,これまで経験したことのない容量及び重量となる。そのため,ザックを新調し,憧れのオスプレイを背負うこととしたが,大雪山縦走への実際的な認識不足から,あれもこれもと,この75リットルのザックに一杯の荷物を詰め込むこととなった。


第二公園

この縦走のために,あらかじめ夏休みの計画を設定していたが,後に入った行事のため,タイトなスケジュールにより計画を進めなければならなかったものの,全般を通して好天気に恵まれて,花三昧の理想的な山行をすることができた。大雪山は,登山愛好家,特に道外の者から見ると憧れの山域の一つであり,特にトムラウシ山はそのメッカとも言え,大雪山全域を通し道外からの登山者が多く,また,外国人の登山者もちらほら見られた。

しかしながら,人気の山域とは言っても,縦走するにはテントを担がなければならず,避難小屋を利用するにしても,テントを除くシュラフなどの寝具は自前で用意することとなり,いきおい縦走する者の絶対数は,海の日を中心とした絶好の時期にもかかわらず,北アルプスなどと比べれば非常に少ないと思われた。

 北海道の山の特徴の一つに豊富な高山植物の植生の存在が上げられるが,大雪山の雪渓周辺には,多種多様な花々が咲き誇っており,その規模は他の比類をみないと言うより,このような場所が日本のどこにあろうかと言うほどの圧倒される規模である。縦走路全般に登山技術上困難となる場所はないものの,背負う荷物の重量が多く,また,ハイマツ漕ぎをしなければならないところも2〜3か所あり,疲れた体に影響を与えることとなる。


化雲岳からヒサゴ沼へ

この時期,オホーツク海には高気圧が勢力を保っていて,東北に押し上げられている梅雨前線に,太平洋岸を回り込むように冷たい空気が流れ込み,同時に太平洋の冷たい空気をも引き入れることから,低地には水蒸気が溜まり,日が射すと,その後冷たい空気が温められて上昇することから,山の上では決まって午前中にガスが発生し,甚だしい時は,これによって視界を失い,登山者の進路を誤らせることとなる。そのような現象があることを念頭においてスケジュールを組んだ大雪山縦走は,お花畑を見ながら,あるいは回りの景色を楽しみながらの,この上ない至福の時を与えてくれた。


ヒサゴ沼

第1日目(7月19日・土)

  札幌をゆっくり発って,12号線をのんびり旭川へと向かう。今夜の宿は,「国設旭岳青少年キャンプ場」で,この脇を天人峡への連絡登山道が走っているが,6月に登山道が崩落し,通行できない。まだ日のあるうちに,猛烈な蚊の攻撃を受けながらテントを張る。キャンプ場は,昔の「青少年」で一杯であり,そのうちの半数が登山のための前泊と見られるが,単独泊は少ない。それぞれおもいおもいに盛りあがっている。こちらは,端っこのテン場に一夜の棲み家を求め,さっそくビールを飲みながらの夕食とする。


ヒサゴ沼テント場は超過密状態


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