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厳寒の北海道日高の原野に咲くフクジュソウ 雪をまとったアポイ岳
2005/ 3/ 5

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 2005年の北海道の山の計画もすっかり出来上がっていて,さあ北海道の山を登ろうと気分が高揚しているときに,岡山への転勤が内示された。もちろん仕事が優先ということは分かっているが,個人の自分がそのことを十分に消化できていない。もう間もなく北海道の山にも春が来てスプリング・エフェメラルたちが待っていてくれて,清冽な沢の水が乾いた喉を潤し,火照った体を冷やしてくれるというのに・・・。

 3月とはいえ,天候が荒れれば北海道の野や山はまだ極寒の世界である。ところが,そのような北海道にも,暖房器具を抱いた山があって,早ければ2月からフクジュソウが咲いているという。北海道に住みながらの北海道の「はな旅」の最終章は,日高の農地脇のフクジュソウとした。しかし、本当に3月の山にフクジュソウが咲くのだろうか、この眼で確かめなくては。

 フクジュソウは,道路脇の日当たりの良い小高い山の南面下部に咲いていた。この時期にあって,フクジュソウが芽を出している地表だけは凍っておらず,そのような場所のあちこちにフクジュソウがあった。特にわりと大きな柏の木周囲で咲いている。柏の木が受ける太陽熱で地表が温められているのだろう。この日の,この地域の午前12時の気温は−1.2℃であって,山間部のこの場所の気温はさらに低いと思われる。

 フクジュソウの地を離れ、日高の山並が見られる場所に移動する。牧場に放された競走馬に興味を示されながら眺めた南日高の主稜線はまだまだ厳寒の世界のようであった。風が強い中,車外に出てみると、そこも長くいられない厳しい寒さであった。春3月とはいえ、牧場にも山にも雪が残っていて、日高の山から吹く下ろす風は非常に冷たく、カメラのシャッターを切る手がかじかむ。2005年2月の日高の里の気温は、真冬日が13日もあって、この月の最高気温は5度が2回あるだけで、3月に入っても5日間ほぼ真冬日であった。


 アポイ岳


さまざまな野の花を抱く南日高の山々


様似山道も冬の眠りから覚めてはいない


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