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聖沢登山口~聖岳~赤石岳~椹島ロッジ縦走
(2011/11/ 1~4)

1日目 聖沢登山口から聖平小屋へ


聖岳

参考文献 
 <改定版>南アルプス学・概論 ※PDFファイル (平成22年3月 静岡県) 
南アルプス・奥大井地域学術調査報告 (昭和50年3月 静岡県自然保護協会)

 11月 1日 (1日目) 
聖沢登山口~聖平小屋

 好天が続くとの予報なので南アルプスの山を歩こうと、深夜の東名高速道路をひた走ります。静岡ICから県道362号線に入り、途中から狭い山道をくねくねと行くのですが、真夜中なので対向車もまったくないので、畑薙第二ダム手前の白樺荘に着いたのは意外に早く、午前2時過ぎでした。持っていた地図が古かったこともあり、東海フォレストの送迎バスが来る「夏季臨時駐車場」の位置が分からず、白樺荘の駐車場で夜明かしします。午前6時には目を覚ましたので、結局3時間の睡眠で本来の駐車場に移動し、朝食後身支度をします。


聖沢吊橋 

 東海フォレストの送迎バスは午前8時となっていますが、午前7時30分には車が着いて、運転手さんが「乗って下さい。」と道路から何度も手招きします。そんなわけであわてて着替えをし、取り敢えずザックに物を詰め込んで車に乗りますが、デジカメと昼食をザックに入れた記憶がまったくありません。昼食はともかくデジカメが見当たらないことは大失態だなと思っていたのですが、登山口でザックをまさぐったところ無造作に放り込まれていました。昼食は、ほかの日の分の食糧に手を着けるわけにはいかないのでミニドーナツ1個、バナナ1本、牛乳1パックで済ませましたが、翌日昼食が天蓋に入っているのを見付けたのでした。


吊橋崩壊のガレ場から沢に降り、笊ヶ岳を遠望する

 そのようなことはともかく、3人の登山者を乗せた送迎の車は、荒れた林道を椹島ロッジに向けひた走ります。途中、紅葉真っ盛りのスポットや唯一聖岳が見えるスポットに車を停めてもらったりして観光気分だったのですが、一人聖沢登山口で車を降りたときには、期待と不安が入り混じった気分でした。今日の行程は、聖平小屋までで、標高差1,100m、所要時間を6時間弱と見積もり、午後4時には小屋に着くよう時間配分しました。登山口からの急登を我慢して登りきると、聖沢吊橋までは大きなアップダウンのない登山道になります。吊橋から350mの登りをこなし、さらに300m登って小さい尾根を乗越します。少しなだらかな水平道となって、水場の沢を2本越すと谷底まで何百メートルもガレている危険なところを2か所ほど通ります。吊り橋が流され崩壊した場所を通り抜けると登山道が消失した沢になり、ここを我慢して尾根に取り付くと、「岩頭滝見台」で、聖岳の展望台となっています。


前聖~奥聖~東聖

 送迎車の運転手さんが、今日は聖沢から2人登っていると言っていましたが、岩頭滝見台で1時間半ほど先に出た2人(ご夫婦)に追いつきました。ここで10分ほど小休止し先に進み、登りで2人に追いついたので先に行かせてもらいます。聖沢に下って崩壊した橋を渡ると、もうその先は平和な光景(平らな道)が続きます。時々沢の水が伏流しているので、どの時点で給水するか思案しながら進みますが、最終的には聖平小屋脇の沢にわずかに流れがある水たまりがあったので、その水を利用したのでした。


あちこちの橋が崩落している

 聖平小屋には、予定の時刻より1時間早く着きました。さっそく冬期小屋の窓を開放し空気を入れ替えます。広くて清潔で申し分のない小屋です。離れたところにあるトイレも一部が使えるようになっています。落ち着いたところで、途中の水場で汲んだ水を使ってコーヒーを淹れます。今回はいつものスティックコーヒーではなく、コーヒー豆をドリップで淹れるという凝りようです。今回の縦走では、できるだけ余分なものを持たないことを心掛けたのですが、人けのない冬期小屋を利用することから、ガスランタン+ガスカートリッジを余分に1個携行しましたが、これはなかなかの雰囲気を醸し出してくれました。


左が冬期小屋

 食糧は、夜はビール+日本酒+ウィンナーソーセージたっぷり入りの野菜ラーメン+果物。朝は出来立てのお米にバター+納豆+ベーコンエッグ+野菜炒め+味噌汁、昼は豆入りパン1個+果物という同一パターンでスタミナを維持します。これだけ食べれば歩行中の間食の必要はありませんし、昼食の休み時間を短く(10~20分)できるので、歩きに専念できます。


2796mのピークと聖岳東尾根

 同宿のお2人は、日もとっぷりと暮れたにもかかわらず、外で酒盛りと食事に時間をかけています。もうほかにすることがないのでシュラフに潜って熟睡したのですが、目が覚めて見ればまだ日付は変わっていません。明日は、百間洞山の家までの短い行程ですが、早出するためにラジオを聴きながら再び寝入ります。

1日目 2日目 3日目
場所 場所 場所
聖沢登山口   0850 聖平小屋 0615 百間洞山の家 0550
1005 聖沢吊橋 1005 0640 薊平 0650 0700 百間平 0710
1210 水場(2080m) 1215 0750 小聖岳 0750 0850 赤石岳避難小屋 0915
1305 岩頭滝見台 1315 0915 聖岳 0930 0920 赤石岳 0925
1415 聖平小屋 1130 兎岳 1135 0940 大倉尾根分岐 0940
1220 小兎岳 1220 1105 富士見平 1105
1335 中盛丸山 1340 1130 赤石小屋 1135
1410 小屋分岐 1410 1320 樺段 1320
1455 百間洞山の家 1445 椹島ロッジ
所要 5時間25分 所要 8時間20分 所要 8時間55分

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