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スミレ咲くプロムナード
本社ヶ丸〜角研山
2009/ 5/ 4



エイザンスミレ(シロバナエゾスミレ?)

 連休の山歩きは、前夜まではFurenを誘って伊豆ヶ岳へ行くことになっていたが、Furenが風邪気味だということで、急きょ中央線沿線の山を笹子駅から本社ヶ丸(ほんじゃがまる)〜角研山(つのとぎやま)〜鶴ヶ鳥屋丸(つるがとややま)までを、ホリデー・パスを使って歩くことにした。

 『スミレ類(特に沢山のエイザンスミレ)、シロバナノエンレイソウ、チゴユリ、フデリンドウなどが咲き、トリカブトが2,30センチになっていてマイズルソウの葉が出そろっていた。ルイヨウボタン、レンゲショウマが20センチぐらいになっていた。 頂上付近は富士桜は咲き、他はまだ芽吹き前で、少し高度が下がると山桜が咲き、唐松が芽吹き、次第にブナも芽吹いて新緑の中にミツバツツジも咲き出していた。』と、昨年の今ごろ、本社ヶ丸の様子について教えてもらっていたのにそのことはすっかり忘れ、ただ尾根歩きを堪能したいという気持ちだけで笹子駅に降りた。


タチツボスミレ

 笹子駅は滝子山登山によく利用される。列車を降りて「ここは無人駅だから。」などと言いながら駅舎に向かう人もいたが、そのとおり普段は無人の駅である。ホリデー・パスを利用すると不足金額(230円)の清算は、改札手前右側の箱に小銭を投入することになっているが、連休中とあって利用客も多く、当日は駅員さん3人が改札に立っていた。

 駅を降り立った人のほとんどは滝子山へ向かうらしく、清八峠から本社ヶ丸へ向かう道の分岐の「追分」へ向かって歩くのは自分ひとりであった。そこは奥野沢川に沿った林道を延々単調な歩きを強いられるところで、スミレ類がわずかな慰めであった。


エイザンスミレ

 登山口は、斜面の木々を伐採して禿山となっているところで、降雨の際は相当ぬかるむだろうと思われる。しばらくして広葉樹林帯に入ってユキザサやチゴユリ、エンレイソウを見るようになって初めて山に入ったという気持ちにさせられる。シロバナノエンレイソウが多く咲く傾斜の登りを我慢しながら登ると清八峠で、三ッ峠山などの展望がよい。稜線に付けられた道は良く踏まれていて本社ヶ丸まで、気持ちよく歩く。本社ヶ丸の頂上の岩の陰でフデリンドウが咲いているのを見つけたが、本社ヶ丸から角研山までの間にも、多くのスミレ類とともにフデリンドウを見ることができた。

 本社ヶ丸から角研山に至る下り斜面の登山道は、ブナの大木、新芽が出たばかりのミツバツツジのほか、林床には何種類ものスミレがちょうど花盛りで、トリカブトも多く目に付いた。あれれ・・・、これはヤマシャクヤク?と思うようなものは多分ルイヨウボタンで、レンゲショウマも咲くというから、この稜線は季節になれば侮ることのできない花の散策路であるに違いない。

 前夕になって決めたコースで出発も遅れたことで、鶴ヶ鳥屋丸まで行って初狩駅に出るには時間が足りなくなった。角研山の標識が掛けられた地点に出たので、そこから笹子駅まで降りることにした。角研山から笹子駅までの標高差は約750mもあって、これってひょっとして日高の神威岳に近い胸突き八丁じゃないの、と思わせられるような急な下りであった。角研山から林道に出て人工林に入るところにナガバノスミレサイシンと見られる株が数株あった。


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