幻の黄花之敦盛草を求めて
鳳凰三山縦走(白鳳峠から地蔵岳〜観音岳〜薬師岳)
2010/ 7/ 6〜7
(1日目)
黄花之敦盛草
■ 7月 7日(水) ■
降り続く雨が子守唄となって熟睡し、目が覚めたら午前4時を回っていた。幸い雨は止んでいる。だが、観音岳方向は真っ黒な雲で覆われている。お隣のテントの主も起きてくる。「夕べは飲み過ぎてしまいました。地蔵岳に登ってから観音岳、薬師岳と歩いて夜叉神峠に出る予定でしたが、地蔵岳に登ってからどうするか考えます。」とのんびりしている。テントを畳み、朝のお勤めをし、いつ、どれだけ雨に降られてもいいように合羽を身にまとい出発する。ドンドコ沢を渉るとすぐシラビソ林の急登となる。朝からこれほどの急斜面を登らなければならないとは辛すぎる。それでもどこかに探し求める花はないかと、目を凝らす。
結局なんの収穫もないうちに、まだ雪の残っている斜面となってしまい、間もなく稜線の分岐に着く。気温は10度ちょっとしかない。まだ6時前だというのに、観音岳から夫婦が降りてくる。ハクサンイチゲやイワカガミが登山道を彩る中、観音岳を越え白砂の稜線を薬師岳に向かう。ツアー登山の一団が下りてくる。一行の列は長い。最後尾の男性は、ガイドに写真を撮ってもらいながら歩いていて遅れているようだ。ガスのかかった稜線で中年のおじさんがピースのポーズもなかろうに。早く原隊に追い着かないと・・・。ガイドさんも大変だ。
早朝の鳳凰小屋
薬師岳小屋の脇をすり抜けてうっそうとしたシラビソ林を我慢しながら歩き南御室小屋にポッと出る。午前5時20分に鳳凰小屋を出て2時間40分、途中でパンを2切れ食べただけで進んできた。少し休憩しなければと、小屋脇の水で顔を洗い、喉を潤す。テガタチドリが間もなく開花しそうだった。
キバナノコマノツメ
南御室小屋から苺平までの樹林帯も期待して登った。しかし、なんの収穫もなかったが、小屋のブログを見ると蘭科の花が確認されていることから、見落としたのかも知れない。苺平で合羽を脱ぐ。陽が射してきた暑くなってきた。苺平から先はもう探すものはないだろうと、ただただガンガンと下る。途中、山火事の跡にはリンドウがたくさん生えている。(このリンドウの開花の様子は、南御室小屋のブログへ)
夜叉神峠手前でトレラン姿の女性とすれ違う。南御室小屋までの一般的な歩行時間は5時間弱だが、トレーニングシューズであっという間に駆け抜けていくのだろう。
テガタチドリ
夜叉神峠からは、いつもの白峰三山の姿は見えなかった。濃いガスが峠周辺を覆っている。峠から登山口を目指す。明るい声をした女性主体のツアー登山の一行が登ってくる。もうお昼も近い時間だが、これから南御室小屋まで行くのだろう。このガスなら間もなく雨が落ちてくるのだろう。それも土砂降りのが。だが、ガイドさんも明るいしだいじょうぶだろう。
ゴゼンタチバナ
夜叉神峠登山口に着くと汗びっしょり。すぐ芦安の温泉に行くのだが、すぐにさっぱりしたく着替える。いつもの金山沢温泉で汗を流す。温泉を出ると雨が本降りとなる。真っ白な薄い生地のトレーニングシューズのお嬢さんはだいじょうぶだろうか、ツアーの人は雨の中でこれから何時間も歩くのは大変だろうなと思いながら、中央高速を走る。
1日目 | 場所 | 所要時間 | 2日目 | 場所 | 所要時間 | ||
着 | 発 | 着 | 発 | ||||
0900 | 広河原 | 1145 | 夜叉神峠登山口 | 225 | |||
0915 | 0915 | 白鳳峠登山口 | 15 | 0800 | 0830 | 南御室小屋 | 80 |
1200 | 1200 | 白鳳峠 | 165 | 0710 | 0710 | 薬師岳 | 25 |
1310 | 1320 | 高嶺 | 70 | 0645 | 0645 | 観音岳 | 25 |
1420 | 1430 | 地蔵岳 | 60 | 0620 | 0620 | 観音岳分岐 | 60 |
1530 | 鳳凰小屋 | 60 | 0520 | 鳳凰小屋 | |||
総所要時間 | 6時間10分 | 6時間45分 |