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物好きが登る登山道のない北の山 幾春別岳 (2013)
(2013/ 6/16)


 6月16日(日) (幾春別岳を目指す〜行動編その3)   


(1) 2013/06/16 1006

 幸せな沢の遡行も源頭部に近づいてきた。残雪が沢を埋めるようになってきた。臨機応変な歩き方が求められるようになった。ときには少し高巻いたほうが安全と思われるところもある。いずれにしても踏み抜きは禁止である。


(2) 2013/06/16 1015 芦別岳を遠望

 登ってきた沢を振り返ると、あれは芦別岳か。尖がっている。そしてこの残雪をさらに登って行くと、右側に泥壁が出現する。泥壁だから足場は取りやすいかというと泥岩の表面が少しずつぼろぼろと剥離しているもので、登山靴で蹴っても足場は得られない。滑落・転落を恐れ急な残雪をそのまま登り、泥壁の端に生えている根曲り竹やウツギを頼りに登って行く。最後はそのままの直登ができないのでいったんトラバース気味に戻る格好を取り、背の部分を登って行くと藪にぶつかる。


(3) 2013/06/16 1026 泥壁 

 藪は濃い。絡み合った低木、根曲り竹が主体だ。右に行って左に行って中央に行って、結局右の根曲り竹の藪に入る。かすかに人が昔入った痕跡がある。かき分けてかき分けて右手の雪田にいったん出てまた根曲り竹の林に入る。尾根の高みまで約60m我慢すると腰ほどの熊笹となる。尾根に踏み跡は残っていない。灌木帯に入ってそこを抜けると待望の草原?でチシマ笹の中にタカネグンナイフウロとハクサンチドリが咲いている。


(4) 2013/06/16 1118 花園

 ここが今回の本命の場所か。色めき立つが待望の花は右にも左にも痕跡も見せない。一筋の踏み跡が頂上に続いている。ようやく幾春別岳の頂上に(たどり)着いた。メールを打ち現在地を行程管理人に告げる。頂上からは北峰(1068m)と南西に派生する尾根の987m方向に踏み跡がついている。北峰へは猛烈な藪、987mへはそれなりの藪が覆っている。


(5) 2013/06/16 1127 北峰への藪(すこし右側から入る) 

 本来なら987mの左側斜面も探索すべきだったろう。今となってはの話である。無事に幾春別岳の頂上に着いたことだけですべてが満足となってしまった。だから、今登ってきた尾根をさらに下って花園のありかの確認なんていうことはすっかり忘れてしまって、いかにして安全に下るかばかりに気が行ってしまっていた。ここまで(少ししか)飲まず食わずの休憩なしであったから、ポカリでのどを潤す。


(6) 2013/06/16 1128 (987m方向の尾根)


(7) 2013/06/16 1129 (来た道、雪田から上がった)

 元来た道を戻る。この尾根の2〜3か所に取り付けられた古い布が残っている。根曲り竹の藪から雪田を経て再び根曲り竹の藪に突入し、泥壁に出る。泥壁を下りる勇気はないので、泥壁の周囲に手がかりを得て、少し早めに源頭の雪渓に下りる。ここも急峻だ。


(8) 2013/06/16 1243

 泥壁をやり過ごすとあとは簡単と高を括って、来る時より少し上方の雪のブリッジを渡ったら踏み抜いてしまった。体半分が落ちて肩が前方に残ったので這いずり上がる。


(9) 2013/06/16 1309

 その後はニリンソウやエゾノリュウキンカ、エゾノサンゴサクたちに見送られ快調に下る。


(10) 2013/06/16 1331

 もう少しで林道が横切るところで、崖から小鳥が飛び出す。逃げない方がばれないのに・・・・。5個抱卵していた。


(11) 2013/06/16 1358

 出合った林道(奥○の沢林道?)を左に進んでショートカットする。まあまあの路盤だが、途中あちこち崩壊(11)している。所詮鉄砲水に間に合うわけはないパイプで導水しようというのがだめなのだろうが、森林管理局にも予算の制約もあることだろうし・・・。そうこうするうちに奥芦別林道に出合い、大崩壊地点で自転車にまたがり、帰路は(下り傾斜が主体なので)快適に駐車地点に到着する。

 占冠村まで車を走らせ温泉に浸かり、日高町の道の駅樹海ロードにあるセイコーマートでビールや酒、それに明日の食料も買って一息つこうと車のスイッチを切ったところまでは記憶にあるが、目を覚ましたのは翌朝3時、窓が開いていて寒かったからであった。


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