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関東ふれあいの道
「伊豆ヶ岳を越える道」
正丸峠から伊豆ヶ岳〜子の権現〜吾野駅
2009//5



もう今はこのザックの入手は困難 OSPREY ECLIPSE42

 年末年始も仕事の連続で、やっと山に登れる日が来た。今年の初登りは西武鉄道正丸駅から吾野駅に至る、「関東ふれあいの道」の「伊豆ヶ岳を越える道」の14.5kmを歩き、「子の権現」をお参りすることとした。
 西武新宿線は、平日の早朝とあってザックを担いだ暇人の姿は見られない。飯能を過ぎ正丸駅で下りる。気温は零度と寒い。
 アスファルト道路を歩き、集落の中にある「安産地蔵尊」を右手に見て、次に馬頭さまが祭られている伊豆ヶ岳への分岐を左に見て、そのまま歩みを進めて最終人家に至ると、その先は杉や桧の人工林の中の登山道となっていく。ザックを背負った背中が熱くなってきたので、巨木の中に祭られている「お申講
(おさるこう)」でひと休みしてシャツ姿になる。

 登山道が少し急になると峠茶屋が見えてくるが、駅から1時間と少しで正丸峠にでる。峠からは累々たる山並みを通して池袋の高層ビル群をみることができる。ここに立派な石碑が建てられているが、「昭和30年11月11日、昭和天皇陛下が御車を進めれら御天望され、昭和39年11月20日には明仁親王、美智子妃殿下が御臨遊され御展望なされた。」旨記されている。

 正丸峠から南に入って快適な尾根路に乗り、小高山、五輪山と進んで男坂に至る。男坂は落石事故のためにロープが張られ通行止めとされているが、その一方、「登っての事故は自己責任による」とも記されている。伊豆ヶ岳は「生物の死骸がたくさんたまって岩石に変わってできたチャートと呼ばれる固い岩」でできているそうである。鎖も取り付けられているが、それを使わなくてもホールドできそうなので女坂を見送って男坂を登る。てっぺんに登ってしばらく歩くと伊豆ヶ岳に着く。



 伊豆ヶ岳の頂上には2人が先着していて休んでいる。正丸駅からの前後に登山者はいなかったから、山伏峠方面から来たのだろう。頂上でしっかりと朝食を摂ってから古御岳(こみだけ)に向かい、急な坂を下った後、アセビのトンネルを抜け高畑山、中ノ沢ノ頭を経て天目指峠(あまめざすとうげ)で車道を横切る。ここからさらに進んで今回の目的地の「子の権現」に着く。子の権現は、天台宗別格本山天龍寺というお寺であり、足腰の守護としても知られているほか、樹齢850年といわれる『二本杉」も名高い。今年1年の足腰の健康を祈願したのち、わらじのお守りと日本手ぬぐいを求め下山道に入る。

 もうこの先は人工林の中の道を淡々と下るだけだが、途中にうどんがうまいという浅見茶屋があり、開いてたので寄ることにした。これまでは2度とも休業のときだったが、今回は正月中であり、参詣者があるので開いているとのことだった。この茶屋は安政2年に建てられた家をそのまま茶屋として使用している。内部は古色蒼然とした立派なたたずまいを見せている。そこにトライアンフボンネビルという英国製のこれまた歴史を感じさせるスタイルで中年ライダーが来たものだから、茶屋の主人と3人ですっかり話し込んでしまい、電車をJRに乗り換えるころには通勤帰りの乗客が増える時刻になってしまっていた。

参考 GPS測定による歩行距離:14.4km

 


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