ビランジの下見山行 観音峠から茅ヶ岳
2006/11/3
2008/8/20の観音峠〜茅ヶ岳のオオビランジの様子はこちらへ
観音峠からのコブ 茅ヶ岳はこの陰
中央線花ハイキングという本は何度も何度も読み返したはずなのに、日本百名山の著者の終焉の山である茅ヶ岳がそれほどの花の山であるとの思いはなく、軽く読み飛ばしていた。
茅ヶ岳のページをよく見てみると、ビランジの咲く場所があるとのことであり、来年のための下見をすることにした。茅ヶ岳へは、普通、深田記念公園から頂上に出て、さらに金ヶ岳にも登るルートを採るのだろうが、人が少ないだろうとの目論見で、観音峠から登ってみた。
中央高速のパーキングで夜を明かし、韮崎を経由して観音峠へと向かう。峠の駐車場に車を置いて金ヶ岳の東に伸びる黒木の尾根に入る。笹に付いた朝露でズボンはびしょぬれとなったが、風がないので我慢してそのまま歩く。途中,岩場あり、ナイフリッジありの経験者向きの尾根は人っ子ひとりおらず、小鳥のさえずりを耳にしながらしみじみと歩く。この尾根の様子は日高のペテガリ岳東尾根コースにわずかに似ていて、当時を想い出す。
一山越えてそそり立つ岩場が崩壊してできたガレ場に出るが、ここがビランジの群落が見られる場所と思われ、ガレ場の下部に若干の水分が出るようであればヤマシャクヤクがあってもおかしくない雰囲気である。登山道の縁にどのような花が咲くのか、もう草木も枯れていて分からないが、ただ一つトリカブトだけが実をつけていて、秋の早い時期には楽しめるだろうと思われる。
観音峠からの尾根筋から | 盛況の茅ヶ岳頂上 |
ガレ場を過ぎると自然林の中の急登が始まり、金ヶ岳と茅ヶ岳の分岐まで続いている。分岐を左に折れて茅ヶ岳へと向かうと次々と人が登ってくる。登山道脇にはイワカガミの群生が延々と続いていて、季節にはまた登ってみたい思いに駆られる。コルから頂上に出るとそこはまだ11時だというのに多くの人が休んでいて、一人旅の昼食スペースもままならないほどである。
適当な石を探して腰を下ろし、新聞を広げながらコーヒーを飲み、昼食をゆっくり摂って1時間も寛いでしまった。その間も次々と登ってくる。往路をそのまま戻って黒木の尾根に向かう。尾根の下りは登ってきたときと違って慎重に下りなければならないほどの急傾斜に感じる。ナイフリッジは切れが左右深く切れ落ちている。
峠の駐車スペースは相変わらず閑散としているが、静かな山歩きが楽しめた観音峠からの茅ヶ岳は、日帰りの山歩きとしては今年1番の山であった。茅ヶ岳にはもう1か所、境界尾根の防火線の切り明け道を下りるとビランジが咲くガレ場があるというので、花咲く季節がますます楽しみである。