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キバナノアツモリソウ 2012
 6月29日 



キバナノアツモリソウ(1)



ここですよ、隠れていますよ。(2)


自生地に咲くアツモリソウやホテイアツモリソウに出合えるようになった前の一時期、
キバナノアツモリソウを探すために何度も山野を彷徨ったことがある。

しかし、その山域で多く見られたというキバナノアツモリソウもそしてかつてはあったホテイアツモリソウも、
すっかり姿を見せなくなってしまったとのことで、一向に出逢いはなく意欲を失ったのだった。
(最新の情報では、ホテイアツモリソウは「あるところ」で健在なようだ。)



こんなアツモリソウでした(3)

今回計画した山は、本当はアツモリソウ探しとは関係はなく、
北岳でテント泊によるキタダケソウ鑑賞だったのだが、夜間の天候がよくないとの予報なので、急きょ
ちょっと(大きく)場所を変えて、キバナノアツモリソウ&ホテイアツモリソウ探しとすることにした。

目的の沢沿いでミズバショウを食べているツキノワグマとの遭遇というハプニングはあったが、
こんな時間に人と出会うとは思わなかったと、熊が先に逃げてくれた。

時間は、午前4時30分。


目覚めまぢか(4)
ラン科のアツモリソウが咲くというこの場所は、地質的には他のアツモリソウの植生の場所との類似性はない。
今回、総行程のうち歩行時間2時間分のか所をくまなく探して歩き、
往復4時間で14か所でキバナノアツモリソウの植生を確認することができた。
(4時間も探し回るということも、大変なことではあるが。)


端正(4)

その結果、感覚的に、単純に言えば人が「優しい風景」と感じる場所、
「そこで休憩を取りたいようなところ」にキバナノアツモリソウの植生が見られた。



「ほら!私ですよ」(5)

画像(1)(6)のキバナノアツモリソウは、笹で日差しが遮られるが、
東からの光を受けられ、風通しがいいところにある。
(3)のアツモリソウの場所は、光を遮るものがないところではあるが、風通しがよく、
大きな笹や背丈のある草の中(2)にあって、何株かのアツモリソウを従えている。
(4)のアツモリソウはまさに殿様が座る場所である。群落になっていて見晴らしよく、光は十分に差し込むが、
直射日光は遮られていて、吹き抜ける風が心地いい。
画像(7)は、思わず寝そべってしまいたいような雰囲気のところである。
ただし、この周囲にキバナノアツモリソウは、ちょっと見ただけでは見つからない。


ツーショット(6)

人もアツモリソウも同じ。
「こんなところで景色を楽しみたい、休憩して流れる汗を乾かしたい、やわらかな光をまといたい。」

山から下ろされたアツモリソウが、どうしてい生き続けられていけるというのか。
14か所でのキバナノアツモリソウの姿を見てつくづく思うのだった。



植生の場所・環境(7)

今、アツモリソウが、キバナノツモリソウが絶滅の危機に瀕しているからと、
ない物ねだりでかえってこれらの花を見たいという欲求は高まっているかもしれない。

「おい、君。明日はホテイアツモリソウを探すのだってね。」
「そのコツを教えてくれよ。」
と尋ねられたら、こう答えよう。
「人が気持ちよく感じる場所が、アツモリソウの生きられる場所なんじゃないでしょうか。」
そんな感じで明日は、ホテイアツモリソウを探すことにする。



翌日、4時間の彷徨の末、ホテイアツモリソウを探し当てることができたが、
そこも、山中に入って6時間40分後、くたくたになってザックを下ろし一息ついたところから、
ほんの少し離れたところだったのです。
 


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