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鮮やかなマユミの実 初冬の北岳肩ノ小屋

2007/11/2〜3



 2日目 


黎明の富士

 床に毛布を3枚敷き、3枚を上に掛け、足元に二つ折りにした1枚を掛けて寝たが、夜中、足が冷え切って目が覚めてしまった。足元にさらに2枚追加して寝るが、それでも明け方は毛布の隙間から寒気が入って寒くて仕方がなかった。何度か目覚めて窓を見ると、少し明るくなっていた。もう5時半だというのに小屋は眠ったままであった。起きて1階に下り、石油ストーブに火を入れる。外に出てみると東の空がほんのり明るくなっていて、日の出が近い。やっと小屋の青年が起きてきて朝食の希望時間を聞くので、7時出発に間に合うようにお願いする。


いつ見ても富士

 ジーンス履きのテントの青年が小屋に入ってくる。「隣のテントの人はもう出発して行きました。夕べは寒くて寒くて大変でした。」「銀マットが飛ばされてしまいました。」と寒風の中のテントは大変だったようだ。「水がないのですがどうしたらいいですかね。」と言うので、ストーブに掛かっている鍋の水をもらっていくか、北岳山荘で買うかどちらかにしたらと言っても、どちらにするというでもないから、外に出て日の出を待った。


仙丈ヶ岳

 韓国の青年は熟睡したようだが、元銀行マンは「寒くて寝られなかった。」と言う。韓国の青年はゆっくり下りて芦安の旅館に泊まり、元銀行マンは「もう仕事に行く必要がないのでのんびりしながら決める。」と言う。自分はいつものように芦安での、のんびりした入浴タイムと昼寝が待っているので、午前11時出発のバスに乗らなければならない。朝食を済ませすぐさま小屋を出てアイゼンを装着し、小太郎尾根分岐へと急ぐ。登山道の雪はしっかり締まっていて、すこぶる歩きやすい。岩場の急斜面だけを慎重に下りるとすぐ分岐に着く。


バットレスの北側から尾根を望む

 分岐で長袖のTシャツ1枚になって二俣コースの登山道を下りるが、汗が流れる。すこぶる速いペースで下りている。このまま行くとバスやタクシーを1時間近く待つことになるが、本を読む時間ができていいやと思いながら二俣の分岐で少し休んだだけでどんどん下りていく。標高3000mの肩ノ小屋から広河原までは1500m近い標高差がある。3時間20分のコースタイムより10分早く広河原山荘に着いたので少しのんびりしていこうと思ったら、張られている時刻表では(今日は週末なので)10時30分の出発となっている。 


広河原からの北岳

 あわてて林道を急ぎ発着場に着くと、バスを待っている人は紅葉狩りの客で一杯だった。タクシーには誰も乗っておらず、運転手さんが寂しげだったのでタクシーに乗ることにした。たった一人の貸切りで断崖を抜けて通る南アルプス林道の山肌の紅葉を楽しみながら芦安に着く。いつもの南アルプス市営「金山沢温泉」で入浴し、余りの心地よさに畳の上でまどろんでいると風をひいてしまったようだ。


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