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タカネビランジ・クモイリンドウ・タカネマンテマが咲く北岳
2009/ 8/16〜17


 8月17日(月)


タカネマンテマ

 午前3時30分、テントから顔を出すと空に星がまたたき、増穂の町だろうか、街の明かりがきれいだ。太陽の光も間もなく出てこようとしている。昨晩はあれほどガスがテントを濡らしていたのに、すっかり乾いている。多くのテントがライトの光で透き通っていて、出発の準備に忙しいようだ。

 早い時間から歩きたくて、食事もせず水を飲んだだけで午前4時30分に出発する。もうすぐ夜明けを迎える。東の空が真っ赤に燃え出しそうで、富士山がその大きな姿を現す。八本歯ノコルへと向かう2人のシルエットが浮かぶ。


04:50 八本歯ノコルへのトラバース道に向かうテント泊のご夫婦

 お目当てのタカネマンテマを見つけた。こんなに背丈の低い花だったっけ。予想とな大違いであった。その花を写すには1mほどのガレ場斜面に足跡を残さなければならない。せっかくの花なれどここを崩してしまうと砂利の流出につながりかねないので諦め、先に進む。北岳の頂上には、人一人がいるだけであった。清々しい頂上の空気、360度の大展望である。

 かねてからタカネマンテマが咲く場所というところに来た。これまではその姿も確認することができなかった。しかし今日、なんとなく目をやるとそこにタカネマンテマがあった。そしてここにも、あそこにも・・・・。これがタカネマンテマの植生なのかどうかは分からないが、ここのタカネマンテマはどれも遠慮したように他の高山植物の周縁に生えている。まだ朝日を浴びることのない西側斜面に咲くタカネマンテマをしばし観賞する。


タカネマンテマ

 これほど澄み渡った青空の下で歩くことはめったになかろうというほどの晴天である。肩ノ小屋を過ぎ小太郎分岐から二俣に向かって下りる。太陽が容赦なく照り付けて、顔や首筋がひりひりするほどだ。二俣の木陰で休んでいると、若い男女4人のグループが大きなザックを背負って登ってくる。誰もが75〜85リットルのザックを背負って明るく進んでいく。さあ、早めに下り麓の金山沢温泉の畳の部屋で横になって休憩するかと、二俣から広河原までノンストップで歩き、10時20分発のタクシーに間に合わせる。


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