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仙塩尾根テント泊縦走(塩見岳を目指すが・・・)
仙丈岳〜熊ノ平小屋〜間ノ岳〜北岳
(2010/ 9/20〜22)


 9月22日(3日目) 

熊ノ平小屋〜三峰岳〜間ノ岳〜中白根山〜北岳

 昨夜は、いったん2時に目が覚めた。フライシートがすっかり濡れていて外はガスが濃いようだ。もう一度寝入り携帯の目覚ましで4時に起きる。濡れたテントをザックに入れ、しっかりと雨支度をして出発準備完了。カナダ人青年を起こし、5時40分熊ノ平を出発する。空はどんよりとしていて、低い雲が山の中腹まで下りてきている。

 下ってくるときもこたえたが、朝一番の三国平までの登りには鍛えられた。樹林帯、ハイマツ帯を抜けると吹きさらしになる。寒さ対策もしっかりとしていたが、吹き付ける風が冷たい。そのうち風はだんだん強くなる。三峰岳手前の岩陰で、パンとポットの暖かいミルクで朝食とする。また風に吹かれながら岩場をよじ登る。三峰岳から間ノ岳、特に間ノ岳から中白根岳の間は吹き飛ばされないよう用心しながら歩く。


一瞬ガスが消えた 三峰岳から間ノ岳への登り

 濃いガスと強風、前回の肩ノ小屋と同じ状況で雷鳥にあう。ちょうど中白根山の頂上あたりだった。
 2009年、テントを担いで白峰三山(北岳〜間ノ岳〜農鳥岳)をサクサクと歩いた記憶から、間ノ岳〜中白根山〜北岳の間は楽勝だと思っていた。あにはからんや結構なアップダウウンと岩場の連続にてこずった。これもガスと強風によるもの。1時間30分も要して北岳山荘に着く。


中白根山の北斜面から北沢を望む

 北岳山荘のベンチで早い昼食を摂る。北岳の中腹から池山吊尾根がすっきりと見えてくる。富士山も姿を現す。北沢も深く谷を削っているのが見える。太陽が顔を出してくる。時間を忘れていたようだ。予定のバスに乗るのに時間がなくなってくる。北岳南東斜面をトラバースして残り花の矮性のヤナギランやキタダケトリカブト、カワラナデシコを見やりながら八本歯ノコル分岐に出る。


北岳南東斜面から北岳山荘〜西農鳥岳〜農鳥岳

 分岐で男性がコーヒーを沸かしている。コーヒーをすすめられてテント泊の話をすると、昨晩の強風で外人さんのテントが飛ばされたと言う。MSRの外人さんだ。MSRのテントの居住性のよさが山岳では通用しないということか。それとも、このような場合岩石ネットを使うべきであったのか。(自分の基本装備には岩石ネットが入っている。)この男性は、ずいぶん前に熊ノ平小屋に泊まったことがあるという。たいそう懐かしんでいた。先を急がなくては。バスの発車時刻まであと2時間30分しかない。コースタイムは2時間35分だ。


南東斜面〜八本歯ノコル〜池山吊尾根

 3日目も後半の足取りは重い。しかしバスには間に合わせたい。コル分岐で軽装になり、休むことなく大樺沢を下る。二俣で一休みし、とり付かれたように再び沢を下る。どうにか初夏にクリンソウが咲く場所に出る。ここまで来ればしめたもの。先を足を引きずり加減にしている男性に道を譲られる。結局、八本歯ノコルから2時間15分で広河原に着いた。辛くて長かった3日間であった。いつか熊ノ平から塩見岳に登るとの決意で今回の山歩きを終える。

 
南東斜面のヤナギラン


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