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キタダケソウが咲く北岳へ 
(2016/ 7/1~2)


クロユリ


 2016年 7月 2日 火曜日 (2日目) 
この日の行程 :北岳山荘~八本歯ノコル~広河原


イワカガミ

 梅雨の晴れ間、快晴の一日目のテント場は、平日とあって静かなものだった。平日だからほとんどおじさんばかりで華やかさはない。その仲間の一人なので静かにテントで酒を飲んでいるうちに睡魔に襲われてまだ日が明るいうちに寝込んでしまう。


ミヤマシオガマ

 夜半、北岳頂上~間ノ岳の稜線から少し外れたところに張ったテントは、西(長野県)側から吹き付ける風に翻弄されている。ただ、この程度の風なら損傷の心配はないが、張り綱だけは少しテンションを掛けておかなくちゃと起き出して外に出る。空には星が輝いている。寒い!


ハクサンイチゲ

 再び寝入る。午前5時ごろになるとザックを背負った人が間ノ岳方向に向かっていく。そう言えば昨日北岳南東斜面でご一緒したご婦人お二人は間ノ岳~三峰岳~両俣小屋(泊)のコースを歩くとのことだった。天候が下り坂なことも織り込み済みで、3日目は千丈岳に向かうそうな。正直なところ最近それほどの体力が残っていない生活を続けている身としてはうらやましい限りである。


ハクサンイチゲ

 簡素な朝食を摂ってのんびりしていると午前7時になっていた。いつまでものんびりしているわけにはいかないので重い腰を上げる。北岳南東斜面をトラバースし八本歯ノコルにザックを置き八本歯ノ頭の手前まで花見に出掛ける。今年は季節が進んでいるほか積雪も少なかったようだから、高山の花にみずみずしさがあまり感じられない。


大樺沢 二俣

 八本歯ノコルに戻り大樺沢を下る。これまで同じような時期に何度も上り下りした大樺沢だが、今年は異常に雪渓が小さい。ミヤマハナシノブが咲いてはいるものの、背丈が低く群れてもいない。やはり冬は寒く、雪がたくさん降らないと咲くものもきちんと咲くことができないのだろう。土曜日なので登ってくる人が多い。テント泊装備の人も少なくない。待つことが多くなる。下山中の男女に適度な距離を保って歩くが、登ってくる人に道を譲っているところで追い付いてしまった。
 「どうぞ、お先に行って下さい。」
と言われて
「はい、ありがとう。」
と先に行く身体的能力は持ち合わせていない。
「ぜんぜん早くは歩けないんですよ。もう歳でもあるし。」と答えながら聞かれてもいないのに「歳」を告げる。
「え~、そうなんですか。そうとは全然見えませんが。」
こういった言葉はくすぐったい。しかし、現実は現実である。 


オニユリ

 広河原から出るバスまであと2時間ほどもあるが、一定のスピードで下りていく。広河原の「アルペンプラザ」に着くとタクシーが人待ちが顔をしている。「後ろに5~6人いたから、その人たちが着いたら出発できますね。」と催促する。いつの間にかタクシーを希望する人が集まったので、車を置いた夜叉神峠登山口までタクシーで戻る。梅雨の合間の比較的静かないい山登りができた。


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