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北岳〜農鳥岳・テント泊(3日目)
2019/ 7/24〜26


[3日目]2019/ 7/26(金)
[コース・タイム]北岳山荘03:30〜05:07北岳〜05:59肩ノ小屋〜二俣〜09:20広河原(総行動時間05:50)


午前2時のテント・北岳

大きな話し声が聞こえて目が覚めた。2人の女性が、日本語で話している。時計を見ると夜の11時だ。月は明るく、星が瞬いている。また眠りに就く。
テントを叩く音がしてきた。雨が降っている。


北岳手前の岩稜尾根から日の出を見る

午前2時に目覚ましをかけたが、その前に目が覚めた。すっかり濡れてしまったテントをたたんだら、もう3時を過ぎている。3時30分にテント場を離れ稜線に出る。自分が一番のつもりで稜線の先を見ると、北岳に向かっている一条の灯りがある。間ノ岳方向へは、中白根岳の斜面に取付いている灯り、その手前に2つの灯りが動いている。


大樺沢の流れ

北岳山荘を出てしばらくすると、後ろからのヘッドランプが一定の間隔でついてくる。まだ真っ暗闇の中で、いくら明るいヘッドランプを使っていても照らす範囲が限られているので、慎重の上にも慎重を重ねて歩かなければならない。この先の登山道では日中に、学生が足を踏み外して滑落し死亡した事故が以前にあった。急斜面のガレた登山道は日中とは全く別の登山道となっている。


北岳山荘と中白根岳〜間ノ岳〜農鳥岳

そのうちに夜が明け、山の全容が見渡せるようになって後方を注意すると、後続者の姿が見えない。八本歯ノコル分岐を過ぎたあたりまではついてきていた。


北岳山頂へあと15歩

昭文社の山地図のコースタイムは、北岳山荘〜北岳頂上が1時間20分となっている。今回、実際に要した時間は1時間37分である。
このコースタイムの設定は、「中年の登山経験者・山小屋利用・昼間」を目安にしているようなので、「夜が明けやらぬ暗い道・高齢者のテント泊装備」としては自信あふれるタイムと自己評価する。


北岳頂上

すっかり陽が昇っている。北岳の山頂には肩ノ小屋(テント)泊まり人であろう、多くの人が彼方を見つめている。この景色こそ日本の黎明、この瞬間が今回の山のハイライトだ。


北岳肩ノ小屋

後続の人が15分ほど遅れて登ってくる。若い女性だった。聞くと、ガレ場を巻くところを間違って岩部の背に出てそのまま進んでしまったということだった。それにしてもご無事で何より!


肩の小屋 テント場

山では花や景色の写真は撮るが、自分が映り込んだ写真はあまりというより、めったに撮らない。でも今日の北岳の山頂からの風景は特別であった。近くにいる人に頼んで千丈ケ岳を背景にシャッターを押してもらう。


北岳南斜面

北岳の頂上を辞して肩ノ小屋へと向かう。小屋が見えるとカラフルなテントが朝のひかりに映えている。テントがブームなる前はテントといえば赤・黄・緑が主体だったが、桃色・黒・青・灰などの色も増えて、随分と華やかになった。戦後世代が中心だった山に若者が参入し、女性も増え、山はおしゃれでカラフルになっていい雰囲気である。


北岳南東斜面と北岳山荘

そのような世代交代が進みつつある山にあって、肩ノ小屋で休憩中の男女年配のグループのだれもがすっきりとした登山用のすっきりした体形であるのを目にした。行動もきびきびとしている。山は年齢ではないなあと思わせる風景であった。


小太郎尾根分岐直下から八本歯方向の尾根

明日の天気は悪い。それでも二俣から登ってくる人が多い。雨による停滞で小屋に泊まるのもよい。ただ、制限雨量はともかく、林道への土砂の流失などでの通行止めは致命傷になる。


いつもは水を飲む場所

おかげさまで無事、広河原まで下ることができた。バスの発車時刻まであと10分しかない。乗車券がないとバスに乗らせてもらえないので、窓口に買いに行く。2つ残っていたうちの最後の座席の確保ができた。


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