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高山裏避難小屋から小河内岳へ 
(2015/ 9/19〜24)

 2015年 9月21日 (月) (3日目) 
この日の行程 : 高山裏避難小屋06:39〜07:36板屋岳09:57小河内岳09:59〜10:02小河内岳避難小屋10:19〜10:21小河岳10:24〜11:01前河内岳11:40烏帽子岳11:45〜13:25三伏峠小屋(テント泊



南アルプスに高山植物を期待してはいけない 鹿の食害は甚大

 今日は、高山裏避難小屋から三伏峠小屋までの短い行程である。所要時間を6時間40分と見ているので、少しゆっくり出る。というより、ゆっくりし過ぎてしまって最後の出発になる。小屋の北側斜面を登って樹林帯に入る。しばらくは同じような雰囲気の樹林帯歩きが主体となる。板屋岳の少し手前にぽっかり陽が差し込むスペースがあった。そこにタカネマツムシソウが咲いていた。


ここだけ

 タカネマツムシソウが咲くところから先は立ち枯れの木々が見られる。板屋岳はすぐ先だった。三伏峠小屋から出発してきたという青年とすれ違う(07:21)。今日の目的地は千枚小屋だというから驚くしかない。板屋岳からは塩見岳の北俣尾根と蝙蝠岳の稜線を見ることができた。


塩見岳北俣尾根遠くに北俣岳?

 大日影山からしばらく進んだところで、なにか人工的な音が聞こえる。それはトレラン野郎がストックを鳴らし当方に「追い越すぞ」とか「道をよけろ。」という意図だった。トレラン野郎はもう一度スットック同士を叩き、振り向くために止まったところを無言で追い越していった。この行為は、物を盗られたとか、殴られたとか、侮蔑の言葉を投げつけられたとか、名誉を汚されたとかいうことと同程度、あるいはそれ以上の卑劣な行為である。人を人間とも思っていないあまりにも程度の低い二本足の動物であった。


初めての??

 この付近の登山道は、樹林帯を抜けると視界の開けた若干の岩交じりになり、また樹林帯に潜り込むようなことを繰り返していくが、鞍部を抜けていくとハイマツ帯になって小河内岳への長い登りが始まる。もうそろそろピークかなと思うとそれは肩であり、なかなか到達しない。このころから青空が広がってきて、視界もよくなりようやく南アルプスの山を歩いているという爽快感が感じられるようになった。なんども騙されながら小河内岳へと登っていく。岩交じりの登山道ながら、歩きやすい。


小河内岳への登りの序盤

 ようやく小河内岳の頂上に出る。前に塩見岳、右手に小河内岳避難小屋が見える。メジャーなルートである三伏峠小屋からの塩見岳の山容はまだ見たことがないが、小河内岳から見る塩見岳はニペソツ岳のようであり、熊ノ平小屋から歩いて見た塩見岳はカムイエクウチカウシ山をエサオマントツタベツ岳から見たときのように雄々しかった。(翌日、三伏峠小屋から登って見た塩見岳は、八ノ沢カールから登って見たカムイエクウチカウシ山のようになんの特徴もない平凡な高みに頂上標識を置いているだけの山のように感じたのだった。)


小河内岳から前小河内岳 その先に・・・塩見岳

 小河内岳から少し見下ろすこととなる小河内岳避難小屋は小河内岳から派生する別な尾根に乗っかっている。今回の縦走の計画を立てる際は、高山裏避難小屋に大いに興味がわいたもののこの小屋は興味の対象外であった。ところが、歩いてくる途中に見かけた小河内岳避難小屋は、稜線の上にちょこっと乗っかっていてマッチ箱のようなかわいい姿を見せていて、小屋をのぞくのが待ち遠しかった。


小河内岳頂上標識から小河内岳避難小屋 別の尾根に乗っている

 風に吹かれる稜線から小屋の中に入って、お湯を沸かし少し休憩しようと小屋に向かうと、小屋の一枚目の戸が開いている。そして2枚目の戸を開けると、板の間に若い男女がそれぞれシュラフの中で横臥しているのであった。カメラ撮影のために山に入っているという。もう小屋締めが終わり管理人が引き上げた冬期小屋で窓も開け放たれていない。午前10時という真昼間に少し陰気(淫靡)を感じ小屋を出る。風の当たらない玄関脇で少し休憩してから、小屋を離れる。


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