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世界遺産 中国・黄山の山登り(1日目)
2000/ 8/17〜22



黄山の名勝 「迎賓の松」

旅のはじめに
 
山登りの延長で、この夏は中国雲南省・麗江の玉龍雪山へトレッキングに行こうと資料を探したが、旅の情報が少ないこと、玉龍雪山にはケーブルカーが敷設されており、終点の標高4000mから先への入山が認められていない模様であったことから、目的地を、1988年に一度登ったことのある安徽省の黄山に変更した。
(2000年の交換レートは1元≒13.6円)
   

旅支度
 黄山は、安徽省屯渓市にある1990年に世界遺産に指定された、70余りの山や峰の総称であり、黄山という山自体はない。中国では、「黄」色は皇帝を表すことから、黄「山」は皇帝の山という意味であるという。
 黄山の主峰は、蓮花峰(1834m)。主要な峰はそれぞれ石段で結ばれている。麓からケーブルカーが運行されていて、歩くことなく宿泊施設がある山腹まで到達することができる。今回は、麓から頂上まで、また下山するのもすべて自力で通すこととした。
 

 屯渓市は、2300年の歴史を有する徽州文化を今に残す街であり、多くの文人・高官を輩出している。端硯の硯、徽州の墨、宜州の紙などが有名である。街には今なお明代、清代の建築物が多く残され、住居などとして使われているものも少なくない。

 日本で発売されているガイドブックにも、黄山やその周辺のことについて詳しく紹介されている。だが、いまや中国もネットの時代。多くのサイトが開設されており、旅の情報の入手からホテルの格安予約、ツアーの申し込みなどができる。特にネットからのホテルの予約は安い。

 その中から、ツアーの価格や安いホテルの手配が得意そうな「黄山旅行社」に手配を依頼した。ネットからのアクセスではなく、ファックスで申し込んだが、ネットと同様の割引料金を適用してくれた。同社のサイトには、天気概況のほか気象衛星の画像も載せられており、随時天候の状態が確認できることもありがたい。

 また。中国の電話帳から黄山市人民政府接待処の住所を探し、手紙を書いて依頼したところ、丁寧な返信とともにガイドブック及び地図を送ってくれた。これを熟読していったおかげで、地理・歴史の予備知識と、中国語の語彙が増え、ツアー参加中の雑談の際にも役立った。

 山登りの用意では、装備などはすべて日本から持参したが、食料などは現地調達とした。飲料水からすべて安い値段で買うことができるが、品質を問うてはいけない。

 8月16日、勤務終了後、荷物を担いで京都駅まで行って、夜行バスで東京駅に向かい、JRに乗り換えて成田空港に降りる。夜行バスでの疲れを、出発ロビーに設置されている「リフレッシュルーム」のシャワーで洗い流し、搭乗を待つことにした。

上海から黄山市へ(8月17日)
 JL791便は17日12時、揚子江河口に建設された上海浦東空港に満員の乗客を乗せて到着した。上海の国際空港はこれまでは市の西郊外の「虹橋機場」のみであったが、「浦東機場」が昨年竣工した。一直線に伸びた簡素な空港ビルをあとに、空港バス2線で大雨の中、上海の中心地を目指す。(19元)

 バスは、浦東地区の農地を広く使った道路を進むが、土砂降りの雨となる。市内の環状道路は冠水している。終点は「上海展覧中心」で、静安路に停まる。静安路にはオシャレな店が集まっているし、こざっぱりして清潔な通りだ。さっそく旅の原点の地図を手に入れる。(5元)

 上海書城というビルにタクシーを向けるが、運転手が道を知らず相当手前で降りる。お詫びの気持ちからか2元まけてくれ、10元をはらう。先ほどの雨も上がったが、道路は川のように水が流れているところもあり、浸水している店もあった。

 目的の上海書城は、7階建の大きな書店。フロアーの広さも、大阪のじゅんく堂並み。黄山からの帰りに買う本の下見をし、数冊の書名をチェック後、1階のオシャレな喫茶店で喜力(ハイネケン=20元)と面包(パン=3元)を食し、休憩する。

 書城を出た薬局に、お土産に頼まれていたアトピー治療薬の「皮炎平」(6元50毛)があったのでこれを5個買い求め、河南中路間で歩き、地下鉄2号線で中山公園駅に向かう(3元)。この地下鉄は、昨年開業した上海市の2本目のものであり、真新しい。終点からタクシーで紅橋機場へ向かい(25元)、機場建設費(50元)を収めてチェックインする。日本の合弁企業が経営しているレストランで面条(30元)を食して19時15分機上の人となり、20時、黄山機場に到着する。

 夜の暗い機場には、約束どおり黄山旅行社差し回しの車が迎えに来ている。案内で、黄山・屯渓での宿泊先「金渓飯店」にチェックインする(120元)。きわめて簡素な作りと熱意のないお迎えにも動ぜず部屋に荷物を入れ、さっそく近くの餐庁(レストラン)で遅い夕飯を摂る(44元)。

 宮廷豆腐とキュウリの前菜で温かいビールを飲む。冷やしたビールはないとのことである。通りの店で明日からの山歩きのためにパン2個(2元)とピスタチオなどのおやつ(5.2元)を買う。ホテルで洗濯をして就寝。


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