[HOME][1日目]


三条の湯からサオラ峠へ
2011/11/25〜26


 11月25日(金) 2日目   


朝の三条の湯

 これまで何度もテント泊をしてきましたが、今回ほど快適に寝ることができたのは初めてです。寝ていて気持ちよく、起きてみると体がとても軽く感じます。これも三条の「湯」のおかげです。本来ルートは三条の湯からサオラ峠に出て天平尾根を下るのですが、2回も風呂に入って大満足してしまい、昨晩は後山林道をさっさと歩いて下りようかと考えていました。


快適な水平道

 今日も天気はいいし、楽な道を選んではもったいないと考え直し、キリリと寒い中、サオラ峠に向かいます。三条の湯を出て最初は少し上り調子ですが、その後はそれほどの標高差のない道を軽く登ったり下りたりが続きます。それも葉をすっかり落とし、朝の光が差し込む葉樹林帯を行くのですから、これほど快適なことはありません。


サオラ峠はまだまだ先です

 この水平道は谷を渡るときと、支尾根を巻くときは急なヘアピンカーブを描きますが、あとは急な傾斜を削った狭い道です。場所によっては石灰岩を削って道を付けていますから、足許に注意を払う必要があります。登山道に落ち葉がたっぷり溜まっているところのあちこちに鹿が寝た跡があります。鹿にとって稜線で寝るのは寒く、登山道以外は急斜面だからここに寝るのが一番理にかなっているのでしょう。


水場

 登山道の途中、三条の湯から1時間ほど歩いた場所に大きな石灰岩が迫っているところがありました。岩は乾燥しているのですが、1か所だけ苔が生えていてそこからまるで水道の蛇口を開けっ放しにしたように水が流れ出ています。真夏にはかけがえのないところです。


三ッ山と雲取山(右)

 この水場を過ぎるあたりから、登山道が付けられているところの斜度がきつくなります。道は要所にある古い標識に従えばよく、傾斜に足を取られないことだけを考えて、ようやくサオラ峠に出ました。サオラ峠からはカラマツの植林帯を縫って付けられた登山道をどんどんと下りますが、丹波天平あたりで広葉樹林になります。二重山稜のような感じのところもあって、落ち葉で道が埋まっています。昨晩お風呂で一緒になった男性が道に迷ってGPSを使ったというのはここら辺りかもしれません。


天平尾根の尻尾(左)

 地図上で保之瀬天平と書かれた先の廃屋が何軒かところどころに見られる場所に来ると、道は荒廃し、一歩踏み外すと大きな事故になりかねない場所が続きます。ここは緊張感を持続する必要があります。次第に奥多摩街道を疾走するオートバイの排気音が聞こえてくると下山口の「親川」は近くです。親川から車を停めてある鴨沢まで車やオートバイの往来の多い道を歩きますが、振り返って見る登り尾根は、まだ秋の装いのままの美しい景色を見せてくれました。


[HOME][1日目]