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ちょっとやそっとの天候でも 安達太良山
2013/11/29〜30


ホワイトアウト 矢筈森に迷い込みそうになる


 11月30日(土) 2日目  

  比較的安定してくるとの朝の天気予報とは裏腹に、小屋の外では強い風が吹いている。自宅を出るときの山の天気予報では、頂上で風速14m/s、気温-7℃であったから、万全な身支度で小屋を後にする。小屋を出てすぐの、稜線に乗る斜面には雪がたんまりと積もっている。ところどころ膝下ほどある雪面を、虎ロープや岩に付けられたペンキマークを頼りにラッセルしながら進む。


安達太良山の頂上

 峰の辻で、くろがね小屋から進んできて右手に折れる明瞭な道筋を進む。すぐ、前回登った道と雰囲気の違うことに気付くが、「安達太良山」方向の標識を見て進んだこともあり、さらに登って行くと急に進路が不安になる。GPSで方位を確かめると矢筈森の1673m方向に進んでいたことが分かる。吹き付ける強風、ホワイトアウト。付けてきた足跡はすぐさま消えている。谷筋に下りるはずはないと、高みへと進んでいたことが、道を失った原因であった。戻って本来の道を探す。


頂上からの急斜面

 吹雪での視界不良と、峰の辻に張られていた虎ロープが、いかにも侵入防止の役目をしているように見えたが、実際は虎ロープの端から峰ノ辻分岐(つまり安達太良山頂上直下)への登路が続いているのであった。さらに進むと、右手に水を蓄えた枡があって、そこは沢状の底になるのだが、かろうじて虎ロープが視認できたのでそれに沿っていったん(浅い)底に下り、すぐさま斜面を登って行くと峰ノ辻分岐に出たのであった。


ガスが晴れかかる

 峰ノ辻分岐から安達太良山への頂上へは、記憶に明瞭にある地形・風景であった。強風が吹き荒ぶ頂上はエビの尻尾が生育中であり、長居は無用と踵を返す。積もった雪の量が中途半端で歩きづらい道をあだたらスキー場のゴンドラリフト駅へと向かうと、ようやく2,3人の人とすれ違った。

 温泉三昧の翌日は、よほどの悪天候でなければ安達太良山の頂に登るとの思いで歩いた。冬の入り口の季節の山は、気温はそれほど下がってはいなかったが、ガスと降雪で視界不良、加えて強風の中の登山は、次の冬期の山でどのような点に注意すべきか、明瞭に示唆を与えてくれた。


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