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前穂高岳〜奥穂高岳〜大キレット〜槍ヶ岳/テント泊縦走(3日目)
2013/ 9/20〜22


 

 9月22日 (3日目)  


暮れゆく槍岳山荘

 03:00に目が覚めた。この時間の出発ではあまりにも早過ぎるが、身支度だけは整えておく。03:45、それでもまだ早いとは思ったが、寒さに震えながら頂上で御来迎を待つのもいいだろうということで出発。槍ヶ岳の頂上には04:45に到着する。すでに10人ほどがそれぞれの位置を確保している。座りやすい岩を着座とし、しばらく御来迎を待つが、ちょっと風景をとたった隙に品性のない中年男性に座られてしまう。立って見えた光景は、次々と南岳方向に向かう登山者のヘッドランプの灯りであった。三連休の中日の今日、大キレットや北穂高岳界隈でのすれ違い渋滞や落石などの巻き添えを避けるためなのだろう。


未明の槍ヶ岳頂上 (後方に「石神井山の会」の人たち)

 間もなく御来迎の時間となるが、次々と登ってくる登山者のうち、若い女性に限って梯子を登り切ると歓声を上げて大はしゃぎする。それに比べ2002年に登った槍ヶ岳は、敬虔な登山者ばかりだった(と記憶する)。女子学生と思われるグループの一人が、御来迎の余韻に浸っているときにザックから清酒「立山」の一升瓶を取り出して、仲間と回し飲みし、その後、おっさんグループにも飲ませてくれたっけ。


槍ヶ岳黎明

 05:16、石神井山の会メンバーが御来迎前に、会創立20周年の幕を広げて頂上でたのしそうに記念撮影をしている。だんだんと空が白み始めると周りが賑やかになる。雲海からの御来迎。殺生ヒュッテにテントを張っての登り返し、頑張った甲斐があった。次々と登ってくる登山者と、下山をし始める人とで混雑が始まる。梯子を順番に下り、慎重に槍岳山荘へと下りると、殺生ヒュッテで隣にテントを張っていた青年2人に会う。「え〜、もう登って来たのですか。気を付けてお帰り下さい。」と爽やか!


御来迎 槍ヶ岳

 槍岳山荘からは真似事で、東鎌尾根を辿る。喜作新道を歩くのが憧れであったが、今まで実現していない。その道筋のほんの端っこを歩くだけでも感慨深い。想像以上にすれ違う人が多い。混雑の槍岳ヒュッテ(のテント場にこだわって)泊まりたいと思うのはまるでずぶの素人のようで小恥ずかしい。そして、東鎌尾根から見る槍ヶ岳の姿がいい。東鎌尾根も感じがいい。殺生ヒュッテのテント場に戻り撤収を開始する。


影槍 笠ヶ岳

 08:00、撤収終了。次々と次々と槍沢を登ってくる人に道を譲りながら、あるいは歩調の合わない団体に道を譲ってもらいながら、ようやく槍沢ロッジに到着。中国人のハイカー(?)が、たっぷり持ち込んだ食料をテーブルに広げて大声を上げている。稜線での熊鈴状態である。


槍ヶ岳 東鎌尾根

 2002年に裏銀座を歩き、槍ヶ岳から槍沢を下りた時、どんなに早く歩いたつもりでも、必ず追い着く女性2人組がいた。横尾山荘で一緒になったときに聞くと、「ザックを下ろしての休憩はほとんどしない。食べるのも小分けし歩きながら食べている。」とのことであった。そのころは大休止をしないと持たない体だったが、最近は多くの食べ物を採らなくても済むようになった(今回の基本食料は、朝はシリアル、昼は全粒粉の食パン1枚、夜はお汁粉)し、水もがぶがぶと飲まなくてもいいようになった。ちなみに1日目の上高地〜奥穂高岳の間の休憩時間は、メモ帳上は35分である(ただし、写真をたくさん撮っているのでそれが実質的な休憩時間に加算されるだろうけれど)。


オヤマノリンドウ 槍沢

 最近はそういう山歩きをしているつもりだが、横尾山荘で見かけたソフトクリームの絵と清涼飲料水の自動販売機に負けて25分間も腰を下ろしてしまった。疲れた体に何という美味!しかし、甘過ぎ。


ナナカマド 槍沢

 次の徳澤園でも、さらに次の明神でもそれぞれ10分間の休憩が必要だった。単調な林道歩き、テーピングでだましだまし歩いてきたくるぶしの痛みが顕著になってきたからだった。それでも腫れないだけでもめっけもの。テント撤収から6時間で上高地に到着。山の地図での所要時間は7時間だから、この休憩時間もよしとしよう。バスターミナルにまだ距離があるのに、列の最後尾を案内する係の人が声を上げている。「ここから沢渡大橋へのバスに乗るには約1時間お待ちいただきます!」


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