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テントを担いで・・・!
白馬岳〜不帰キレット〜五竜岳〜鹿島槍ヶ岳〜針ノ木岳
 

(2015/ 7/31〜8/ 5)


針ノ木小屋


 2015年 8月 5日 (6日目の1) 

6日目の行程:針ノ木小屋05:48〜針ノ木雪渓〜07:37大沢小屋07:53〜08:55扇沢10:10〜11:10白馬・八方P


北葛岳〜七倉岳

 6日間の贅沢な時間を使ったテント泊縦走の山も、今日で終わる。今日の行程は針ノ木小屋から針ノ木雪渓を下りれば扇沢でフィニッシュである。車を白馬/八方の駐車場に停めているからこれを回収する必要がある。アルピコ交通が2015年は7月11日から8月31日までの間のに運行する「北アルプス山麓アルペンライナー」が、扇沢を10時10分に出発するので、扇沢での着替え・休憩時間に余裕がほしく05時30分ごろ出発できるようテントを畳み、パッキングを済ます。小屋前で船窪岳方向を見やり山々にお別れをしていると、隣の男性の話が耳に入ってくる。


北葛岳

 その声は、男性とその隣にいる登山者の会話だった。
 「あの山の姿はすごくいいね〜。」
 「カムイエクウチカウシ山という山に似ていますね。」

 その山の名前には敏感に反応せざるを得ないのだった。日高山脈に位置するカムイエクウチカウシ山にはこれまで7回チャレンジし、凍傷にかかって登頂を取りやめた1回を除き、いずれも縦走の途次に頂上に登っている。


岩場に咲くカムイビランジカムイエクウチカウシ山

 なぜ、シーズンの限られた夏山に北の山、それも日高の山に登るのか。夏山シーズンの真っただ中の稜線で人っ子一人として出会わない静寂さがあり、登山の原点である水も食料も、あれもこれも自前で運ばなければならない苦労・辛酸があり、のんびりと高山植物を食むヒグマが屯する自然性が残り、何よりポッキッとくじけそうな心を慰めてくれるカムイビランジとの逢瀬が待っているからなのだった。(ただし、もうここには行くことができない年齢・気力・体力になっていて、思い出話を美化して話す傾向にあるのは否めない。)


七倉岳

 「不躾ですいませんが、話の輪に入らせてください。」「カムイエクウチカウシ山と言っていましたね。」
 「北海道の山が大好きなんですよ。北海道の中でも日高の山が好きで、カムイエクウチカウシ山はいい山ですね。」
という会話をきっかけに出発することも忘れ、日高の山の話をすることになった。この人は9月中、日高の山を含めた北海道の山を登ることとしているそうで、なんともうらやましいと思うのだった。


針ノ木峠から 針ノ木岳〜赤沢岳方向

 今回の縦走は、特に種池山荘以南の山に対する固定概念を打ち崩すものだった。数日間のテント泊装備を担いで歩くにはなかなかの山々だった。自然に蓮華岳から先、船窪岳を越えて烏帽子岳を経る縦走に思いを馳せながら針ノ木峠から下りる。


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