東大雪の秀峰 二ペソツ山
(2008/ 8/ 5)
多くを語る必要のない素晴らしい山だ!
■ 8月5日 ■
日高の縦走を中断し、カムイエクウチカウシ山から下山して4日目の朝、天候がすっかり回復したニペソツ山の十六ノ沢コースの登山口、杉沢出合に入る。平日の、まだ4時過ぎだというのに、林道終点にはバスや多くの車が停められている。
エゾマツでうっそうとして暗く、ぬかるんだ登山道を黙々と歩く。小天狗で左に折れて前天狗とのコルに出ると、テントが一張り置かれている。両サイドが笹で覆われている歩き辛い登山道を進み、ダケカンバ、ミヤマハンノキ、ハイマツなどの中をくぐって前天狗に出ると、ニペソツ山が「どど〜ん」と眼前に現れ、圧倒的な存在感を見せ付けられる。この衝撃は、北アルプス五竜岳を登って以来のものだ。
北見からみえたと言う単独の、ベテランとお見受けする爽やかな女性が、ナキウサギが顔を出しているところを教えてくれる。この山の岩場では、どこからでもナキウサギの「ピチィ、ピチィ」という鳴き声が聞こえる。
ナキウサギ
天狗平に登ってからいったんコルに出て、そこからニペソツの頂上を目指す。この山の最大の急登を我慢すると、東側が大きく崩壊しているニペソツ山の頂上に出る。あれが花の富良野岳、あれが水蒸気を上げる十勝岳、あれが北海道での始めてのテント泊縦走をしたトムラウシ山から白雲岳、あれがシュナイダーコースを下りた石狩岳音更山、あれが雄阿寒岳雌阿寒岳、あれがオッパイ山、そしてあれが日高の山々・・・。
ホタルブクロ
登山道では、これと言った花は見かけなかったが、頂上には10種類以上もの花が咲き誇っている。しかし、スガワラビランジとの対面は叶わなかった。心地よい風が吹いてくる。太陽の直射があっても暑さを感じさせない。ゴツゴツした岩に体を合わせ横になるとすっかり休憩モードになって1時間も寝てしまう。このような幸福感は、夕張岳の頂上での惰眠以来である。
ウメバチソウ
(参考)同じ時期の山と花の様子は「北海道あれこれ 札幌発」が詳しく、憧れのツクモグサの様子は
「一人歩きの北海道山紀行」の、いずれもリンクをお願いしているサイトをご参照ください。
着 | 場 所 | 発 | 所要時間 |
− | 杉沢出合 | 04:50 | − |
06:10 | 天狗のコル | 06:20 | 90分 |
07:20 | 前天狗 | 07:50 | 60分 |
09:10 | 頂上 | 10:50 | 80分 |
12:20 | 前天狗 | 12:30 | 90分 |
14:30 | 杉沢出合 | − | 120分 |
総歩行時間 | 7時間20分 |
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