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大ドッケ・フクジュソウ群落地の踏み荒らし問題について
(新ハイ論争)


 大ドッケに商業登山ツアーが大挙して入り込み、期を同じくして巨大な会員を擁する新ハイキングクラブが山行を企画実行するようになって、大ドッケのフクジュソウに壊滅的な打撃が及ぶことを懸念した新ハイキングの会員がクラブの掲示板でこれに疑問を呈した。その間のやり取りを見ると、どのような組織も官僚化するとの仮説にたてば、個人への対応はおのずと組織防衛に走り、問題の所在を見ようともしない。そのフクジュソウ群落地は目を覆うばかりの惨状が広がっていた。(2013)
 アルプスエンタープライズが2015年も大ドッケのフクジュソウ群落地へのツアーを催行する模様で、そのほか、小人数のガイド登山も複数実施されている。(2015)


 新ハイキングの大量入込みについての問題提起  新ハイキング側の考え方  新ハイキング容認の考え方 影響を 危惧する他の意見
 3月23日〜24日に新ハイキングが大平山」の福寿草群落地に団体で押し寄せる計画について〜
この地は、歩道や桟道が設置されているわけではない。そこへ団体で訪れるとどうなるか?踏跡ができて、いずれは高尾山日影沢林道入り口のニリンソウ群落のようになるのは明らかだ。
もちろん、団体でもどこへでも行く権利があるのは言うまでもない。個人的には少人数で訪ずれるべきだと思っている。このようにコメントすると「細心の注意を払って実施しする」というような紋切型の答が返ってくると思うが、新ハイとして自然保護を優先するのか、又はごく一部の会員の利益を優先するのか、お考え頂いて中止されることを切に願う。  
 今回、山行を企画した者だ。
善意の意見であることは承知の上で、意見を述べる。
結論からいえば、自然保護の考え方としては、賛成できない。
数十人の山好きに聞いたところ、過半数の者が知っており、かつ、現地に行っている。
フクジュソウ群落の存在や価値を認め、具体的な保護施策を考える時期に来ているのではないかと思う。自然保護行政にかかわった経験があるが、最も効果的な保護施策は「社会による監視の目を強める」ということだ。自然に理解のある人が沢山訪れるようになれば、悪いこともできなくなります。三毳山や角田山が、よい成功例だ。植物学者等によれば、実際に盗掘被害にあう確率は、きちんとした保護施策が取られていない、無名の繁殖地の方がずっと多い。
われわれ人間も自然の一部だ。自然の中に身を沈め、心も体もリフレッシュしたいと感じるのも私たちが自然の一部だからだ。
「シカの食害は許せて、人が立ち入るのは絶対に許せない」ようなことは困る。
傍若無人な振る舞いは論外だが、謙虚さと愛をもって接することこそが肝要なのではないか。
新ハイキングクラブがどのようなクラブなのかと思い掲示板をたまたま覗いた部外者だ。
新ハイキングクラブは自然を愛する人の集まりであり、色々な方面から物ごとを考える素晴らしい方たちの集まりであると思っている。
しかしながら、会員数が大変多いと思われる。全ての方たちが本当に自然保護を考えているのかどうかというのは表面的には分からないのではないかと思う。
私自身もかなりの山の好きな方たち・自然愛好家・植物愛好家の方たちと山に行くが、残念ながら一緒に山行を共にして疑問に思うところが少なくない。
お目当ての植物の写真を撮るために足元の植物には全く注意を払わないなどはよく見かける。(勿論立ち入り禁止のところには入るというようなことは絶対にないが。)
次に、少人数ならいいが、新ハイの山行はいけないということに関しては根拠に乏しいのではないか。新ハイの会員は、花好きが多く自然保護に反する行為に関しては厳しい方が多いと思う。
むしろ、気心の知れた数人だとちょっとぐらいという、甘えが生じ、群生地に踏み込んで写真を撮ったという話を聞いたことがある。
要は人数ではなく、個人や団体の資質ではないか。自然保護に理解のある多くの方が、この群落を見てその価値を認めることは、今後の保護に関して、良い結果になると確信している。
意見は自然に対する純粋な愛情から発せられたものと思う、この場に及んで存在を隠そうとする方法は、かえって効果的な保護施策を遅らせることになると思うが、いかがか。
影沢林道入り口のニリンソウ群落の問題も、当初から重要性が周知され然るべき保全処置が取られていたとしたら、荒らされることは、未然に防げたはずだ。
今回の福寿草に関しては、私も自分の目で確認し、具体的な対応策を提案したい。
とにかく、愛していると言っているだけでは、自然は守れない。
  フクジュソウ群落地は、他のところで公表されているし、詳しいレポートも出ていて、もはや秘密とは言えない。
しかしながら、やはり団体で行くのは一個人としては疑問に思う。
保護を考えるのであれば、他の方法もあるし、本当に行きたいのであれば、他の人が立てた計画に乗るのではなく、個人で調べて少人数または個人でいけばよいのではないか。
もし催行するのであれば、少人数で自然保護に際して、参加者に説明してから行けばよいと思う。
誤解を招かないように繰り返しすが、小生の危惧は唯一つ、「オーバーユースによる現地の自然破壊」だ。すなはち、「多人数による一時的な訪問による地表面の踏みつけ」である。
この場所は、過去に山岳雑誌、ブログなどにも紹介されているので、隠すつもりはない。しかし、多くの方はブログでも現地への行き方などは明示せず、オーバーユースを避けるべく配慮している。角田山のように山全体に花が広がっている所と大ドッケは比べようもない。
自然保護施策を云々する以前に、オーバーユースを避けるのが第一だと思う。新ハイに続いて、他のハイキングクラブや商業的ツアーが、多人数を引き連れて「福寿草を見に行こう!」となれば、どのような事態になるか言うまでもない。もちろん、地主ではないので、行くと言われるのを断固阻止するつもりはないが、新ハイの自然環境保全に対する姿勢や優先度が知りたくて投稿した。
 オーバーユースの問題については、海外の事例を中心に調査研究したことがあるので、よく分かる。
群落のような局所的な保全については、オーバーユースを論じても意味がないことは、明らかにされている。
影響するのは行動そのものであり、保全に有効な手段は、監視員(ガイド)の同行を義務付けるなどの行動の規制・監視とされている。
「多人数による地表面の踏みつけ」を問題視しているが、「小人数ならよいか」と問われたらどうなのか?
少ない人数で行くのを「自然を愛する集団」大人数で行くのを「自然破壊者」とする論拠は無い。人数ではなく、行動そのものだということは、前にも書いたとおり。
 自然保護に関して様々な意見が出ているが、本当に自然を愛するのであれば、野山に立ち入らないことだ。
どの様な理屈をつけても、私達人間は動物や植物からすれば、嫌な侵入者だ。
議論は必要だが、何時までも自己主張するのならば、意味がない。やめるべきだ。
集団登山における植生の保護に関し、危惧を覚える。
このような地は、この山を自力でも登れ、一歩譲っても少数パーティのメンバーを組んで行くのが似合っていると思う。
この地にツアー登山(※)が入るようになってしまった。これもご時世。これからはどんどん他社のツアーも入るようになるだろう。それ(多数の集団)がどのようなことをもたらすのか、多言を要しないことだ。
もし行かれるなら最大限のご配慮をお願いしたい。
(※ アルパインエンタープライズ)
   しかしながら、一会員様の心情にも察するところがあるので、中止や催行の内容変更も含めて検討したい。
ただし、あくまで話し合いの場を持った上で方針案を出したい。私の連絡先(新ハイ誌参照)に、名前と連絡先をハガキにて送っていただきたい。
山行の催行には、実行までに多くの方のお世話になっている。変更や中止についても、多大な労力を必要とする。
書いたことに対する、相応の責任を果たして頂きたい。悪いようにはしない。
 山に登って自然を破壊している者の一人だ。よって反省を込めての発言だ。
一千万人とも言われて居る登山者が、登山時に大小の用を足す時、簡易トイレを携行している人が何人いるか。
貴重な草花の群生地の踏み固めの議論も、30人の団体で行こうが、1人で行く人が30回行けば同じだと言うことだ。「目糞、鼻糞を笑う」の如き。
山に行く以上は、大差ない。だから、本当に自然保護を訴えるのならば、山に行かないことだ。
手元にある新ハイ07年4月、08年4月号の「山行報告」を見ると一つの山行に67人もの参加者があるようなものを筆頭に極めて大人数での山行がごまんとある。
そのような大人数での山行でどのように植生(この場合フクジュソウ)に影響を与えないでおけるかを懸念することに誰にとってなんの不都合があるというのか。
そうか、そんなことを心配している人もいるのか、ならばそういった不安をどうやって払拭し楽しい山行にしようかと考えるのが、山登りに対する考え方と言うのではないか。

投稿した時から、リーダーの説明は期待しない。計画を承認した新ハイ本部の説明を聞きたかったのだ。



リーダーからの要請で(掲示板参照)氏名その他は渡してある。

山行計画を承認しているということは、新ハイ本部も認めているということだ。この議論が始まって1ヶ月以上も経って、やっとみこしを上げてああだこうだ言うのは、ほんとうに「官僚的」事務局だと言われても仕方ない。
あなたは「新ハイ本部」について根本的にご理解いただいておられないようなので、詳しくご説明をさせていただきたいと思いますので、お名前とご住所をご連絡ください。

引用された件(→)はすでにはるか以前にクラブ山行リーダーの集まりで議論を行い、今後の糧とした。その時の記録を知りたいのなら、名前とご住所を連絡せよ。

匿名で他者を貶めるような書き込みをすることはフェアではない。きちんと順序立てて議論をさせていただきたく。連絡を待つ。
福寿草の保護に対しての論争が、エスカレートして、誹謗中傷合戦になっている。
「私も山に登って自然を破壊している者の一人です」という事実を謙虚に認識するべきだ。
その上で個人、団体それぞれの立場から入山する時に気をつける注意点を議論すべきだと思う。夏富士や花の尾瀬の渋滞問題等、自然保護を考える場合、もっと大局的に、それこそ全登山者規模で議論する時期に来ている。
掲示板の過去を見ると、以下のような投稿があった。この中の文字を少し置き換えてみれば、フクジュソウの群生地への影響への懸念についても多少理解が及ぶのではないか。

55人もの人数で狭い立神山の山頂を占拠しての昼は、ちょっと非常識ではないか。
私の指摘に対し、リーダーの方は「55人で山頂で食事をしてはいけないなんて、そんな決まりがどこにあるんだ」と開き直ったように言った。
決まりがなければOKなのか?
    そのとおり(↑)だ。
人間も含めての動植物同志、「永続できる調和が取れた共生」を如何に実現していく努力を続けていくかと言う課題だ。
問題となった山行のリーダーともそのような話をしている。
「山はみんなの宝」憲章制定の賛同呼びかけ人に名前を連ね、山に係っている様々な方々との意見交換を続けているのも、まさにそのような問題意識からだ。
保護の手立てが何も執られていないフクジュソウ群落地についての問題提起に対し、糞を持ち帰ることや、鹿の食害とを同列に論じ、あるいは、一人が何回も登れば同じことだというような著しく飛躍した見解に、普通の人が接したとき共感を得られるか否かは論を待たないことだ。
誰も立ち入るなと言っているのではなく、集団で入った時の自生地へのダメージを問うているのであり、そのことに思いが及ばない人になにを言っても、多勢に無勢で仕方のないことだ。
   規範/参加される方に心掛けていただきたいことをまとめた「参加者のみなさまへ」がある。
リーダーによっては参加者に配布している。
これとは別に、山行のリーダーが心得ておくべき事項をまとめた物がある。

事務局には大まかな役割分担はあるが、あくまでもクラブ総意の実行を担うグループである。
クラブの意思決定は委員会でなされており、それを伝えする役割も担っている。
 
なにやら、議論がかみ合ってないと感ずる。
本部山行における『新ハイの行動の規範』を示せばそれで済む話、と思うたのだが?示された気配も見られないし・・・。第一、規範に類するものはあるのかな?
(←)
    おこがまし」の原義は「いかにもばかげている、全くばかばかしい」。
 「本部山行の行動の規範は?」の問いに対し、新ハイクラブ事務局からの返答が「参加者のみなさまへ」の旨内容を読んでビックリ。
「自然保護」、「環境」、「保全」などの字句文言は一語もない。
フクジュソウだ、集団登山だと、本掲示板をにぎわせた一連の騒動収束に全く効果のない文面、正に「おこがましい!」の限り!
それにしても新ハイ60年の歴史を鑑みて、「参加者・・・」の文面だけが行動を律するとしたら、随分な山行が組める。
しかし、今のご時勢ですから、福寿草を愛する一会員や老少年が提示したような「自然を傷つけないよう配慮した」や「集団登山から、よりコンパクトな山行」などの文言で、環境にも、またそこに住む人々の生活や文化に配慮した意志表明がなされ、更に本部山行にも、その内容が反映されれば
今回の問題提起が意味を持ったことになると思うのが、如何?
       45年程前の「山と渓谷」誌上に北岳山頂に空き缶が大量に捨てられている写真が掲載されている。
以後ゴミの持ち帰り運動や登山者自身が自然との共存を考えて行動した結果、山は見かけの上では綺麗になった。
しかし屎尿問題や踏み荒し等、新たな問題が発生している。
美しい自然を残すために、登山者が具体的に何をすれば良いのか、討論しよう。第一歩から始めるべきだ。
  係からもかかる事態の防止や改善のために人が歩く所と保護する所の峻別の働きかけをしているが、残念ながらまだ実を結んでいないとの報告を受けている。できたら行政に働き掛け、ご協力いただきたくお願いする。    
 (注) たとえばアルプスエンタープライズのように、ツアーで群落地に立ち入るに当たり、所有者に代わり山林を管理する埼玉県農林公社の許諾を得たとするところもある。
(ただし、公社側はそのような認識をもってはいない。)   

2013年3月29日の状況
2007年〜2015年 大ドッケのフクジュソウ群落地訪問記 一覧


注1 新ハイキングの掲示板のうち、大ドッケのフクジュソウ群落地への集団登山に関する部分を抜粋した。
注2 読みやすくするため、主旨を損なわないようにしつつ要約した。
注3 投稿者の主旨に沿わないもの、このページへの記載を望まないなどの理由での申し出があれば速やかに削除する。