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春の日ざしを待っていました 大ドッケのフクジュソウ
2008/ 3/ 1

秘密の花園探訪時の注意
             (注意=1)群落地へは途中、山腹が崩壊しており滑落すると10m〜30m以上落ちる場所がある。
             (注意=2)道迷い防止のため、地図を読み地形を見ながら行く必要がある。 



群落地はまだまだ冬の姿をまとっている

 秩父地方の日中の気温も上がってきたことから、すでにフクジュソウの花を咲いているのではないかと気になって、再び大ドッケに行くことにした。西武秩父線のダイヤが休日用だということを忘れて池袋駅に行ってしまい、このまま行っても西武秩父駅前発のバスに間に合わないこととなってしまった。ここで計画を中止してしまうと咲いて待っていてくれている?フクジュソウに申し訳がないので、タクシーかレンタカーを調達することとして特急電車に乗る。

 レンタカー店で軽トラックを借りれば5,000円ほどで済むことから、西武秩父駅前のトヨタレンタカーで軽トラを借り大ドッケの麓へ車を走らせる。今日が釣りの解禁日らしく、川には大勢の釣り師が入っている。地元のご婦人に「釣れたかね。」と聞かれてしまったが、このように朝のあいさつがてら声を掛けてくれる地元の人の優しさを感じる。
 山道にあった圧雪はすでになく、季節はもうすっかり春に向かっているが、昨年あったスミレの花はまだなく、葉も見つからない。今年は少し季節が遅れているようだ。山の上の集落方向から、なにやらがにぎやかな声が聞こえる。登山スタイルの4人グループが杉木立の中に見えた。同じ場所へ行くようだ。


この山に崩落地はない       この先滑落注意

 休憩してこのグループをやり過ごすと、「花は咲いていましたか。」と聞くので、「これから登ります。」と答えると、「フクジュソウの群落は毎年広がっているようですね。」と言うし、身支度もしっかりしているので、大ドッケには何度も入っているベテランと見た。また、休憩を終えてこのグループの後ろから歩くと、コース取りがしっかりしていて・・・、と思いきやトップが足を滑らせてしまい、徐々に滑りかけたが体勢を整えて崩壊地を行く。

 崩壊の著しい場所を過ぎたところで、「先に言って」とのことなので、崩壊地を2か所渡ってから沢へと向かう。最初の沢でレインスーツの下をはいて隣の沢に入る。そのころ、グループは2番目の崩壊地あたりに着いたところのようだった。沢に入ると、沢筋には雪がなかったが、少し遡ると沢一杯に雪が残っていて、足跡は前回の自分のものだけであった。雪はすっかり湿っていて、この分だと群落地は露出していて、フクジュソウも咲いているのではないかとの期待を持つ。

 
群落地                              群落地

 順調に沢を詰め群落地に着くと、地面はまだ雪に覆われていて、黄色い花はまったく見えない。そこで南に面している凹地を登るとフクジュソウの蕾がわずかにあって、その先に咲いた株が2つ。こんなに雪があるのに咲いて待っていてくれたフクジュソウだった。昨年の今ごろは、秩父市の朝の気温が零度以下であっても、日中の気温が15度を超えた日もあったようだが、今年はまだそれに至っていない。


小石を押しのけて                 巨樹の周囲にもフクジュソウの芽がたくさん

 さらに上に登ると、大樹の根元にもう少しで咲き始めるフクジュソウの芽がたくさんある。鹿道は雪が融けているが、そこにもフクジュソウが芽を出している。あと10日もすると、この地はフクジュソウの黄色いじゅうたんが敷き詰められるだろう。ところで、あのグループはどうしたのだろう。群落地に着いてもうしばらくなるのに、声一つ聞こえない。多分この沢に入れず迷って引き返したのだろう。これぞ「秘密の花園」である。


雪が融ければ咲きます

 フクジュソウには逢えた。もうしばらくしたらまた来よう。今度は満開のフクジュソウを見られるだろう。せっかく軽トラを借りたのだから、両神のセツブンソウを見てみたい。三峰口から山を越えて、日本一のセツブンソウ園に行くこととし沢を下りる。崩壊地に達するとグループの姿が見える。道に迷ってしまい、一人が群落地を探しに沢を登って行ったというが、その姿を見ていない。別な沢に入ったようだ。程なくしてリーダーが沢から出てくる。もう午後1時近くになっているが、これから群落地に行きたいと言うので沢に入る方法を伝える。群落地のことを知っておられたものの、先月、自分がいったん引き返したように、道がついていないから道迷いが発生しやすいようだ。昨年、警察官に遭難が発生している、滑落事故が発生している、と言われたことは、実際事故が多発しているためだったのだ。


セツブンソウ

 日本一のセツブンソウの自生地、小鹿野町両神小森堂上の「節分草園」には、土曜日とあって人は多かったが、 肝心のセツブンソウは人の数より少ないぐらいであった。「セツブンソウはちらほらとしか咲いていないので、それでも入場料を払っていただけるのなら入ってください。」との木戸のおじさんの注意ではあったが、地元の人が守り育てているセツブンソウに敬意を表して中に入ってみる。午後の光を浴びたわずかなセツブンソウではあったが、清楚で可愛らしい花が見られただけで満足した。


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