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花新田のフクジュソウ
2009/ 3/26


 今年は雪が少なく、野山の花が芽吹くのも早いだろうとのことであったが、前回(3月11日)にはまだ蕾が固かった。もう満開の時期を迎えただろうとこの時期を選んで登ることとした。折からの大陸からの寒気の南下により車窓から見える山並みには雪が被っていて、案の定、フクジュソウの沢も北側斜面は真っ白だった。ただ、朝から太陽が顔を出していて、日が高くなるとフクジュソウは元気よくパラボラを広げてくれているだろうとの期待を持って標高を上げる。

 あと標高差100数十メートルのところで男性1人女性2人組のグループに追い付いた。女性はスラックスの腰周りが汗で濡れている。「この沢でいいのでしょうかね。」と聞かれたので、「あと100mでしょうか。」と答えたが、それは標高差があと100mはあるだろうという意味で言ったが、実際は標高差200m近く残っていた。1週間前に来たときには沢を間違えて入ってしまって、結局撤退したとのことであった。 


別宅のフクジュソウ

 間もなくいつもの場所が見えるところまで来たが、遠めにも様子が違う。華やかさが感じられない。群生地はもう「秘密の花園」ではなくなって、しっかりした道が付けられていている。それはそれでいいのだが、今年の花園のフクジュソウは既に満開の時期を過ぎていて花弁が痛んでいる。そしてどのフクジュソウも細くて弱弱しく、地面が多く露出していてまばらにしか生えていない。雪不足の影響が現れているのだろうか。ある一定の場所以外は苗もほとんど見ることができない。秘密の花園の中でもこれから開花する場所もあって、ここのわずかなスペースのフクジュソウは、やっと開き始めただかりで、子孫も多く芽生えている。


別宅のフクジュソウ全景

 今は秘密でもなくなった「大公開の花園」のフクジュソウはもう見に来ることもないかな、と思うほど植生が少なくなって、かつ踏み荒らしも酷い有様だが、このわずかな「別宅」の敷地にあるフクジュソウは実に瑞々しい。疲労がたまっていて、朝起きるのが厳しかったが、来た甲斐があった。

 下山の際、登って来る7人のレディス軍団に出会ったが、その乱れぬ士気の高い行軍は北アルプスの暴風雨の雪倉岳で出合ったパーティを髣髴とさせるものであった。


本宅の群生地のフクジュソウ


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