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未踏の地のフクジュソウ群落 (2013)
2013/ 4/14〜15




 4月 14日 (日) 



 大ドッケのフクジュソウ群落地の地質とここの地質との相似性は見られない。ただ一つ、似通っているのは岩塊斜面であるということ。しかしただの岩塊でいいのかと言えばそうではなく、ある程度腐葉に覆われている必要がありそうだ。そして土壌が乾き切っていないということは、フクジュソウの植生に必要な要素と言えるのだろう。というのも、この地を訪れるに先立ち候補地として挙げていた場所も斜面であり、そういうところで地下水等による湿潤に恵まれている必要がありそうだ。この群生地の後に訪れたところは斜面の上の平坦地にフクジュソウがあったが、その斜面のすぐ下には水の流れがあり、また落葉で一面に覆われていて、乾燥しにくいようであった。


 さて、この山の岩塊斜面をジグを切って5分の1ほどを登ったが、崩壊が始まる山の肌へ向かってもフクジュソウが延々とあって切りがないことと、登るにしたがって土壌が薄くなりフクジュソウも疎らになってきたのでそこで登るのを止めた。今度は斜面を下るが、少し足の置き方が悪いと岩屑が崩れ斜面を落ちていく。それほど斜度がきつい。


 下るにしたがって林床の緑が多くなってフクジュソウの黄色とのコントラストが美しい。咲き始めた株も多く、蕾はあちらこちらに見られる。薄曇りの日ではあるがすっかり花弁を広げて春の陽気を感じている。


 名残惜しいが、もうそろそろこの場所から離れよう。いつまでも誰に踏まれることもなく、また商売の種となって犠牲にならないようにと願う。なんとも素晴らしい群落地である。惜しむらくは山の風景を割愛せざるを得ないこと。それもこの山の植生の永続性を願うからには致し方ない。 

 


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