宴の後の大ドッケ フクジュソウ (2013)
2013/ 4/19〜20
宴の後の大ドッケ
■ 4月 19日 (土) ■
昨日遅くまで話し込んだにも関わらず、同宿の先輩は今日も長丁場とのことで早立ちをして行った。朝食を済ませると小屋の窓や戸を全開にして、お礼奉公を始める。舞い上がったほこりも流れ去り、清々しい空気に入れ替わる。いつものことのように去るに名残惜しいが、そろそろ時間だと腰を上げる。マイナス3度ほどに下がった外気温も少しは上がったが、着込んで長沢背稜を七跳山に向け歩く。
七跳山から矢岳
長沢背稜をとことこ歩き七跳山まで登るとようやく体が温まってくる。体調も良くいつもの所要時間より5分短縮で着く。少し大平山寄りに行くと矢岳の尾根がすっきりと見える。ようやく雪が溶けた稜線は芽吹きもなく、土もまだ固い。あれほど咲くヤシオツツジは蕾も膨らんでいない。
大平山への道すがら
長沢背稜にツツジが群れて咲く場所は2か所ほどしかない。ところが一歩道をはずすととんでもないツツジの群落に出会うことができる。その一つが七跳山から先の尾根で、(ツツジにしては)巨木の群落がある。ツツジは人が入り込める場所ではほとんど採り尽くされている。あるとしても多くが尾根の左右の人が入り込めない岩場の急峻な所だけだ。ところがここはツツジの木でできたアーチの下をくぐるようになるのだ。
春・エンレイソウ
とは言っても、今はまだ蕾も膨らんではいない。そんな尾根を急降下して天目山林道が横切る大クビレに下りる。ふたたび我慢し大平山に足を向けると、ここにもアカ&シロのヤシオツツジがそれはそれは見事に花を咲かせる群落地がある。ここは足元がちょっと藪っぽいのが難点と言えば難点か。
フクジュソウの雪崩
大平山で腹ごしらえをする。ここにはもともとは手製の山頂標識が一つしかなかったのが同じ木にもうひとつ括り付けられて、なかよく二つになったのだったが、今日見ると新参者の標識が別の木に括りつけられていて、どうやら排斥されたようだ。山でも既得権とか自己主張という意思の発露はあらわで生々しい。
宴の後
こういうバリエーションルートには、赤や黄色のテープが見苦しいほど付けられているのが常なるも、このコースにはほとんどそのようなものはなく、ごく限られた要所に要領よく付けられているだけで、すっきりしている。だから大平山から少し歩いて大ドッケのフクジュソウ群落地へのダイレクトな下降点を見付けるのは、尾根の斜面を折り切らないところで枯れたスズタケの藪を巻くように付けられた薄い踏み跡を認識することになる。ここはほぼ直滑降でいつもは咲き残りのフクジュソウがあるところの近くに出る。
麓から上がってきて1本目の大きな倒木
今年、フクジュソウ群落はかつてない荒廃を見せた。斜面が柔らかく滑りやすいからちょっと足を乗せただけでも土壌が持っていかれ押し下げられてしまう(画像:上)。道が縦横に走るようになり、裸地が増えてきた。ただそれだけのことだ。まだまだ踏み固める余地は一杯ある。