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尾瀬でテント泊 大江湿原散策
2011/ 8/ 7〜8


 8月 7日(日) 


夕暮れの尾瀬沼と燧ヶ岳

 尾瀬と言えば人混みという先入観から、これまで一度も歩きの対象として計画することはなかったのですが、鬼怒沼山から黒岩山周辺でビバークし尾瀬沼に出るのなら尾瀬へ行くのもいいかなと、一応の計画を立ててみました。その後、「やま旅・はな旅」の行程管理人のFURENが参戦することになったので、急きょ、尾瀬沼でのテント泊、ルートは大清水〜尾瀬沼の往復とし、出発することとなりました。

 今日は高速を沼田ICまで走り、尾瀬に向かう国道401号を登山口の大清水に行きます。そこからは2時間半程度の歩きだし、テント場の受付が13時からとのことなので、ゆっくりと田園の中の道を走ります。片品村を奥利根ゆけむり街道に入ると、舗装道路に施された仕掛けから、? 夏が来〜れば思い出す〜 はるかな尾瀬遠い空〜♪ と「夏の思い出」の歌が流れてきます。あとでチェックするとこれは「メロディーライン」というものでした。片品村観光協会のサイトによると、「メロディーラインとは道路に溝を作り、その上を一定の速度(制限速度)で走ると走行音がメロディーを奏でるようにした道路のことです。道路に小さな溝を連続的に作ることによって、その上を車で通ったときに走行音が溝の中に反響して音が出ます。溝の間隔が狭いと高い音、間隔が広いと低い音が出ます。」とのことですが、なかなかいい雰囲気でした。


テント泊・避難小屋泊ではいつもこんなに大きなザックを背負って歩いているんです。

 今日は日曜日ですから、登山口の大清水の駐車場には多くの車が停められています。アブが大挙して押し寄せてくるので、手際よく出発の準備をし、取り敢えず林道を一ノ瀬休憩所まで汗だくになりながら歩きます。ここで少し休憩を取ってから山道に入りますが、すぐ木道となって、街歩きのスニーカーなどを履いた人たちに交じって少しずつ標高を上げていきます。そんなハイキングコースですから、75リットルのザックを背負っているのが異様に映るのでしょうね。「こんな山にあんなに荷物を持って・・・」との非難とも中傷ともつかない声があったそうですが、人それぞれ、余計なおせっかいです。テント泊なのですが、FURENのザックはオスプレイの26リットルですからね。75リットルのザックがテント泊には大いに頼りです。


コバナノイチヤクソウ

 展望のない樹林の中を三平峠に着きました。ちょっと一休みして再び木道を下っていくと、じきに尾瀬沼が見えてきました。2時間以上も樹林帯を歩いて違った光景が見えると、一応刺激があります。途中、なんの花も見ることはなかったのですが、暗い樹林にイチヤクソウを見るとほどなくして三平下、尾瀬沼湖畔の休憩所に到着です。ここには冷えたビールも生ビールもありますが、ぐっと我慢してベンチで昼食を摂ったのち、尾瀬沼ヒュッテに向かうのでした。


コオニユリと山ガール?

 日曜日の尾瀬の昼下がりは、ほとんどの人が下りてしまってひっそりしています。コバギボウシ、コオニユリやサワギキョウが咲く湿原の雰囲気はなかなかのものです。長衛小屋と尾瀬沼ヒュッテを分ける道をヒュッテに向かい、午後の受付開始まであと少しの時刻に着くこととなりました。このテントサイトは完全予約制です。尾瀬沼ヒュッテのサイトから予約を入れます。テントサイトには尾瀬沼ヒュッテと長衛荘の別館の間を通って行きます。ここは小渕沢田代に行く登山道でもあるのですが、2日間にここを通った人は見かけませんでした。また、この日のテントサイト(28サイト)の利用者は2組だけで、夏とは思えない静かな尾瀬が楽しめそうです。


コオニユリとコバギボウシ

 テントサイトには、間隔を空けてウッドデッキが敷設されています。張り綱は石で止め、フライシートはウッドデッキのすき間に溜まった土に刺すために用意した細いチタンのペグで固定して今夜の豪邸が完成です。今宵の豪邸ができたら尾瀬沼ヒュッテのお風呂に入ることができる午後3時30分までは大江湿原への散策に出かけます。途中、ヤナギランの群生があったのでわき道にそれたり、コオニユリやコバギボウシと戯れたりと、思いのほかいい雰囲気の湿原散策でした。

 さて、待望のお風呂です。お風呂の時間に行くとすでに男湯には3人の先客がいます。まったりと湯船に浸かります。いつまでも入っていたいところですが、十分に体も温まってきました。ロビーで冷えたビールを嗜んでいると雷鳴が轟き、土砂降りの雨になってきました。これではテント場に戻ることはできないので、テレビを見たり山の本を見たりしながら時間を潰します。しかし、いつまでも降り止みません。堪忍袋の緒が切れたので、傘をさしてどうにかテントに戻りますが、テントの中はびしょびしょになってしまいました。


尾瀬沼のテントサイト

 登山用のアライのテント、エアライズ2の前室はほんの少ししかスペースがありません。そこで傘を広げてその下でお米を炊き夕食の準備です。隣の高校生(?)たちは雨の中、テントの外で傘をさして食事をしています。それでも、雨が降るだけのテント場は、風がないだけでも快適です。ただ、フライシートと本体が接触したところから入り込む雨と、体から蒸発した水分が水滴を作るので、タオルで何度か水を吸い取っては絞ります。

 雨が降っていてはあとは寝るだけです。FURENは寝袋用シーツとゴアテックスのシュラフカバーで、私はISUKAの夏用のシュラフAIR280を広げて体に掛け、安眠体制に入ったのでした。


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