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北戸蔦別岳からピパイロ岳、伏美岳へ戻り下山 (2014)
(2日目の2)
2014/ 5/23~24


1856mからの下りで


 5月24日(土) 2日目の2  

 


特大

 日高の山にヒグマは付き物であるが、最近の新しいヒグマの足跡、それもとてつもない大物の足跡である。ヒグマの爪が雪の中にくっきりとリアルに残っているところを見ると、融雪具合からすると前日のものであろう。7月後半に日高の稜線を歩くと登山道のあちこちにヒグマの糞を見る。高山植物、とくにセリ科の植物を食べに来るために歩きやすい登山道を使うのかもしれない。
 2014年にペテガリ岳を登ってCカールで幕営しようとルベツネ山方向に向かっていたときに遭ったヒグマもとてつもなくでかかったし、2007年に北戸蔦別岳のテン場の下にいたヒグマも半端なくでかかった。今回のヒグマの足跡は、この2頭と同じ大きさのクラスのヒグマに違いない。


奥に戸蔦別岳 右も奥に幌尻岳

 そのような怖そうなことを言ってはいるが、究極の話は出遭った時はそのとき。だめな時はだめと思わないと日高の山を歩くことはできない。せいぜいヒグマの行動がもっとも活発となる夜明け前後には特に注意するほかは、あとは特に手の施しようはないと思うしかないだろう。出合頭の遭遇を避けるためにせいぜい熊鈴を鳴らすのだろう。(と達観できればいいが・・・。)このヒグマの足跡は北戸蔦別岳の登りにさしかかる辺りまで続いていた。


戸蔦別岳

 長大な尾根を歩いてきた。残るは北戸蔦別岳への登りで今日の行程は終わる。そんな計画に従ってピパイロ岳から来た。あまった時間は戸蔦別岳まで行って七ッ沼を俯瞰して見ること。ところが、午前9時前に北戸蔦別岳に着いてしまった。明日3日目の予報は芳しくないので、今日の行動を考えると、伏美岳のテント場までか、あるいは下山してしまったほうがいいか考える。とにかくこの稜線で吹かれると厳しいものがある。


北戸蔦別岳頂上から奥に1967峰 右にピパイロ岳 さらに進んで伏美岳 この長い尾根を戻る

 ということで、大好きな北戸蔦別岳頂上のテント場での幕営はあきらめる。ただ時間があるので、テント場整備をして行こう。崩れた石積みを積み直し、テント場の土を登山靴で均すこと30分、誰が来てもいいようにした。(次の画像)いいテント場に戻ったが、ご注意!ここは1人用と2人用テントの2張りを張ったらもうお終いのところである。


北戸蔦別岳から見た幌尻岳(右奥)

 北戸蔦別岳頂上のテント場
ピパイロ岳から進んできた場合、(画像では広く見えるが)手前のスペースで2人用がぎりぎり、その奥に2人用が無理なく張ることができるスペースがある。その二つ以外に頂上にスパースがあるかというと(画像でそのように見えても)皆無である。この二つの場所が埋まっている場合は、ヌカビラ岳方向へ下り鞍部に張ることになる。そこは北戸蔦別岳頂上のテントが風に翻弄されていても、その影響を受けることが少ないようだ。その具体的なロケーションは2002年10月の記録参照。


幌尻岳

 北戸蔦別岳の頂上テント場を去る前に幌尻岳をしっかりと目に入れる。でっかい山だ。さてさて、ここから伏美岳避難小屋までの所要時間は9時間である。時間の経過とともに雪が腐ってきている。その残雪の斜面をまた何度か登り返さなければならない。計画ではここでのテント泊だったから、実際にはザックもまだ重い。しかし、気分的にはなんの重み、辛さも感じない。天候が崩れかかっているので、暗くなっても歩き続けて小屋に入りたい。


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