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花の浮島・礼文島 香深からスコトン岬までの花々
2011/ 6/17


レブンソウ群生地のレブンアツモリソウとハクサンチドリ


 6月17日(金) 

 人生お金も大切ですが、自由になる時間も非常に大切ですね。この春、長年働いた職場をリタイアし、比較的自由な時間を持てるぜいたくな身になりました。今まではザック以外の荷物も背中に背負っていたですが、その荷のほとんどを下ろすことができたのです。だからと言って今回礼文島に咲く野の花を見ようと思っていたわけではありません。この島の花は、重いザックが背負えなくなったときのためにとっておこうと思っていた場所の一つです。ダ・カーポの「野に咲く花のように」を聞きながら花咲く島を歩くのにはまだ早いのです。


レブンコザクラ

 では、なぜ今回礼文島に行こうと思ったのでしょうか。これまで毎年のように6月は、日高の稜線に咲く花を見るためにテントを担いで歩いていました。今年もヌカビラ岳から北戸蔦別岳を歩き、そのフラワーロードを満喫しようと思っていたのですが、千露呂川林道が崩壊してその復旧工事が終わらず、入山が難しいことが分かりました。そのため、急きょ礼文島に行こうと思い立ったのでした。


ミヤマオダマキ

 しかし、何の脈絡もなく礼文島に行こうとしたわけではありません。今年は、植生の回復という自然保護のために入山が禁止されている崕山の、1年に1回入山が可能な「崕山自然保護モニター登山会」に参加できることとなって、その山でホテイアツモリソウが見られることから、アツモリソウつながりで礼文島のレブンアツモリソウの植生も見てやれということで、計画に入れたのでした。


ハクサンチドリ

 北海道に行き、礼文島に渡るにはまず稚内まで車を飛ばします。軽く考えていましたが、事情があって夜間に車を走らせることになり、稚内港に着いたときはもう夜もすっかり明けていました。ですから、朝一番のフェリーに乗ってわずかに仮眠を取っただけなのですが、憧れの「花の浮島」に渡れることで、ハイテンションとなっていて眠くはありません。それは、稚内のフェリーターミナルと礼文島の香深のフェリーターミナルでドリップコーヒーを飲んだせいかも知れません。ただ、観光地にありがちなものではなく、しっかりと淹れられた珈琲でありました。


崖の岩場を覆うレブンコザクラ

 香深のフェリーターミナルでは、ターミナル内のレストランの出店が注文を受けてからおにぎりを握ってくれました。大好きな筋子とシャケの大きなおにぎりです。これは、散策の途中でいただきましたが冷めてもとてもおいしくいただくことができたのでした。さて、フェリーターミナルからスコトン岬行09:00発の観光シャトルバスに乗ります。座席は左側を確保します。それは、海岸沿いに咲く花を見るためです。バスの乗降はフリーですからこれぞと思う花が見つかれば、そこで下車すればいいのです。


ネムロシオガマ

 そういう意図で山側ばかりを見ていると、あそこにもここにも花が咲いています。民家の庭にはオダマキやリシリヒナゲシが咲いています。リシリヒナゲシは苗から植えたものでしょうが、砂利敷きの庭一杯に咲いています。オダマキも園芸種かもしれませんが、それでも離島の風情に似合っています。バスが進んでいくとキジムシロ、レブンコザクラ、エゾカンゾウ、ミヤマアズマギクと思われる青い花、ウルップソウに似た花、ヨツバシオガマ、ネムロシオガマ、イワベンケイ、ハクサンチドリなどが走行中のバスの窓から見ることができます。


スコトン岬

 バスが岩場を通過するたびに赤い花を見かけるようになりました。もうこれ以上スコトン岬に行ったら見れなくだろうと思いバスを停めてもらいます。思ったとおりの光景が広がっています。レブンコザクラ、ミヤマオダマキ、ハクサンチドリの大競演です。あ〜、来てよかった!


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