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さいはての百名山 利尻岳
(2003・6・21〜22 単独・テント泊)


リシリコザクラ 頂上南峰

 頂上の南側直下は降りることができ,見上げるとエゾコザクラが岩場に張り付いている。全体の数は10株にも満たないが,鮮やかなピンクの花を付け,しっかり生きてるぞと自己主張しているようである。頂上西側の岩場に1輪のエゾコザクラが見えるので,きっとほかにあるに違いない。滑落に注意しながらわずかな足場を頼りに岩の裏側に回ると半畳ほどの『コザクラ畑』がある。本当に小さい「コ」サクラソウである。

 えりもで見たエゾオオサクラソウの大群落,クリンソウの大群落,岩場にびっしりと咲き誇っていたヒダカイワザクラ,どれも見事の一言に尽きるが,延々と登ること6時間の末に見たエゾコザクラも感動ものである。エゾコザクラ(リシリコザクラ)の艶演。崖の岩場にしっかり根を下ろしている。ただ、このリシリコザクラは,エゾコザクラより花弁がやや大きく,色もエゾコザクラのような鮮明なピンク色ではない。利尻固有種のリシリゲンゲ(左),サイハイラン(中央)。リシリヒナゲシは見つけられなかったが,フェリーターミナルの売店で売られており,500円出せば自宅で存分に観賞できる。


リシリコザクラ 個体数は少ない(岩場で危険)

 下山途中の崩落か所,岩と岩がぶつかって煙をあげながら頻繁に滑落していく。落ちたら痛そうなのでさっさと下山するに限る。下山時にようやく綺麗な青空をのぞかせた。降雨時に水の流れにより掘られた登山道。登山道全体が程度の差はあれ同じように掘られている。出発が遅かったため,下山してくる人に幾度となく宿泊を勧められた避難小屋だが,やはり自前のテントが安眠にはうってつけだ。

 フェリーを待つ間おしゃべりをした神奈川のご婦人は飛行機で千歳へ,ご主人は車にバイクを積み遊びながら北海道へ,千歳で奥様を乗せて利尻島までドライブ。優雅な定年後のライフスタイル。


崩壊著しい頂上への登山道

 稚内からの帰途は,空も晴れて快適なサロベツ原生花園沿いのドライブ。ハマナス,キスゲやヤマユリが沿道で見送ってくれる。思ったほど高山植物は見られなかったが,いろんな人が利尻岳に登ってきている。多くの人とゆっくり言葉を交わした山登りは,利尻岳が始めてである。大学を休学し自分探しの日本一周・チャリの旅の「おにいちゃん」は,今ごろどこを走っているのだろうか。一緒に下山しましょうかと言ってくれた千歳の陸上自衛隊君は,転倒して一眼レフのカメラは壊すし,足に豆を作っていて,国防を担う青年としては訓練不足だったのではないか。


2日に1度しか見られないというのに!

行程:6月20日(金)札幌(19:30)〜留萌(21:35)〜稚内(24:00)・車中仮眠(315km)       
   6月21日(土)フェリー(06:30)〜3合目登山口(08:40)〜5合目(10:05)〜避難小屋
           (12:35)〜沓形分岐(13:51)〜頂上(14:3015:00)〜避難小屋(16:17)〜           
            七合目(17:00)〜
3合目・北麓野営場(18:30)・テント泊

     6月22日(日)テン場(07:00)〜フェリーターミナル(07:4008:40)〜稚内(10:20
            10:40)〜札幌(18:30

             総走行距離620km・40.7g・15.2km/g


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