[HOME][][][][][

南アルプス縦走/テント泊 2日目(2013)
(2013/ 7/12〜17)
茶臼小屋〜茶臼岳〜上河内岳〜南岳〜聖平小屋)


聖平小屋のテント場とマイテント(グリーン)


 2013年7月13日(土) 


茶臼岳〜上河内岳間の草原?

 茶臼小屋の朝が明けた。よく寝た。青年が小屋から出てきたので聞くと「大丈夫でしたよ。仕切りがあったから。」と言うが、新ハイキングのグループは賑やかだったようだ。疲れが残ってあまり食欲がわかないが、取り敢えず食事を摂る。早いうちにそのグループは光岳(池口岳?)を目指して出て行った。今日は茶臼岳に登ってから聖平小屋まで行くだけののんびりした一日なので、静けさが戻った小屋周辺をぶらぶらする。


見るべき初めての花 クロユリ

 天気予報に反して空模様はよくなく、ガスが立ち込めてきた。「そろそろ行くか」そんな感じで稜線に上がり、茶臼岳に向かう。予想通り展望のない茶臼岳の頂上で、頂上標識に手を添えてすぐさま踵を返す。期待した二重山稜の中の「草原」を文字通り正直に受け取って期待していたが、そこは鹿に丸裸にされた空しい荒廃地であった。今回の縦走全般を通じ対策が遅れたことがどのように南アルプスの山全体の植生をだめにしたかという現実をまざまざと見せつけられた。そしてその原因と責任を登山者の踏み付け踏み荒らしとか、盗掘とか、幕営などに押し付けているが、そのようなことは(アツモリソウなどの盗掘を除けば)この悲惨な現実からすると些少な原因でしかあり得ない。南岳で一輪のクロユリを見た後にこれといった花を次に見たのは、登山3日目の聖岳から先に進んで兎岳への下りで、それもわずかなヨツバシオガマやハクサンイチゲだった。


南岳への好ましいトラバース道

 茶臼岳から来た道を戻り、茶臼小屋へ分ける稜線に男女の姿があった。道標と登山道を確認して歩いているとのこと。夏山シーズンを前に、このような人たちによって登山道や登山の環境が維持されている。ガスと強風の中、上河内岳へ分ける道標にザックが2つデポされている。聖岳方向から男女が上がってくる。ザックを背負ったまま上河内岳を往復する。濃いガスで展望はまるで得られなかった。おまけに頂上には留まっていられないほどの強風が吹き付けている。


聖平

 上河内岳を下りてすぐさま南岳へと向かう。出会う人もなく見るべき花もなく、ひたすら聖平小屋を目指す。と言ってもぶらぶらとした感じのスピードで・・・。もうそろそろ聖平というところで比較的大きなザックを背負った青年と交差する。「どこから?どこまで?」と聞く。「甲斐駒ヶ岳から光岳までです。」と言うが、帰宅後チェックしてみると、この青年は光岳を越して池口岳まで歩いている。


これからが佳境のテント場

 聖平がまだ先という鬱蒼とした樹林帯で携帯の電波をチェックするとアンテナが立っていたので、行程管理人に現在地をメールで知らせ、聖平小屋へと急ぐ。それというのも天候がすぐれず、小雨も降ってきているからだった。小屋は今日(7月13日)が小屋明けで、次々と聖沢からの人が来て宿泊の受付をしている。テント場はまだ一張りしか張られていない。小屋に近いところに場所を確保する。受付の井川山岳会の人に「お疲れ様!フルーツポンチを食べて下さいね。」と言われ遠慮なく振る舞いをいただく。テント泊の者にまでの好待遇は南アルプスならではのもの。甘露!


やっぱりテント泊!

 屋根の付いたベンチで夕食を作りながら、恒例のビールと日本酒でまったりとする。夕食は持参したたっぷりの野菜とハムのコラボレーション。山ではミネラルの摂取は必須である。食後は小屋の前の階段に座って景色をボーっと眺め時間を過ごす。テント場は隙間なく埋まって、我がテントの横にも2張り4人のグループが収まった。小屋のトイレが外にあり、ちょうど通路脇に張ったテントの傍を多くの人が遅くまで行き来する。雨がパラついているが明日は聖岳を越さなければならない。そんなことを思っているうちにいつの間にか完璧に熟睡してしまった。


[HOME][][][][][