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南アルプス縦走/テント泊 6日目 (2013)
(2013/ 7/12〜17)

千枚小屋〜椹島ロッジ


千枚小屋から望む山脈


 2013年7月16日(火) 


千枚小屋

 ゆっくり起きて、ゆっくり朝食を食べて、ゆっくり支度をしてのんびり山を下りようと構えていたが、そのような不遜な態度の登山者はいるはずもなく、午前3時半ごろになると人々は起き出し、食事は午前4時半から始まった。その食事は、夕食同様バランスのとれた内容で、大きな梅干しやバナナも添えられていた。(味噌汁が朝夕とも入院患者用並みの薄さだったことを除けば大満足。)


明治時代に伐採されたあとの2次林

 椹島ロッジを13時に出発するバスに乗って、沼平ゲートに停めている車を回収するために3kmほど林道を歩いて、そのご赤石温泉白樺荘の温泉で汗を流してとすると、午前6時に小屋を出発してゆっくり歩けばいいと時間配分をする。三々五々、小屋を出発して行く人々に触発され午前5時半に小屋を出ると、道標に椹島ロッジまでの所要時間が4時間と書いてある。山地図では5時間だったのにそんなことならロッジ発10時30分のバスに間に合うので、その後にゆっくりできるんじゃないかと、山道を下る。


駒鳥池

 小屋から駒鳥池、見晴台、蕨段までは快適な散歩道であった。清水平の水場で南アルプスの水をいただいて、いったん急な傾斜を下りつつまた延々とイワカガミの植生が続く散歩道を小石平へ。そして並行して走っていた林道と別れて鞍部に着くまでは、「なんだ、こんなに楽ちんな山道」と思っていた。しかし、鞍部から付け替えられた登山道が1437mの岩場を登り返し、送電鉄塔からの激下りになると、おぉ〜い、国土地理院の地図は古いデータのままじゃないかと恨み節が漏れる。ここまでの間、休憩のためのまともな時間はとっていなかったので、足許が不如意になっていたのだろう。地表からわずかに浮いていた松の根に足が取られ前のめりになったが、体勢を起こすことができず両膝をしこたま石に打ち付けてしまった。やばい!でも骨には異常はなさそうだ。奥西河内(沢)沿いに付けられた登山道は高所にあり、ところどころ斜面から土砂が流れて登山道が荒れたところがあったり、気を抜いて足を踏み外せば沢へまっさかさまというようなところを経て、吊橋を奥西河内(沢)を渡れば、その先は滝見橋のたもとで、千枚岳の登山口であった。


滝見橋手前の吊橋

 そのような努力の結果、4時間はかからず椹島ロッジに(余裕?)で到着した。バスは10時ちょうどに発車すると勘違していて、時刻表を見ると実は10時30分の発車だった。バスの乗車申し込みをすると、沼平ゲートで下車させてくれるとのこと。これで林道を1時間も歩く必要はなく、ゆっくり温泉に浸かる時間も、井川の集落でお茶などを買い求める時間も取れるし、なにより東名高速の渋滞の時間を避けて走ることができる。
 椹島ロッジでは、百闢エ山の家でご一緒したご夫婦がのんびり過ごしていた。荒川小屋を出発したが千枚小屋では泊まらず椹島ロッジまで下りてしまおうと、12時間かかって下りてきたとのことだった。千枚小屋では、夫婦二人が宿泊手続をしていないと言っていたが、安否が分かって一安心であった。(前日、荒川小屋方面から来て千枚小屋に泊まる予定は3人=私、ご夫婦=と分かるのは、それぞれの小屋が次の宿泊地は?食事は?と受付のときに聞いて、無線で知らせるから。)

 赤石温泉白樺荘で、6日間の汗を流す。その後「奥大井・南アルプスNET」で見かけたお茶やさんの滝浪園に立ち寄る。メインストリートから少し外れている。どんなお茶を選んだらいいか迷う。なにせ一番高いお茶は2,000円(g)超え。ご主人がどのような使い方をするのかで選んでは?自宅用なら「朝夕霧の香り」で十分とこれを薦めてくれる。棚には地元産のしいたけも梅干しも。食品も中国産の物に席捲されているなか、登山の帰りに清浄な山で採れた食材をあれこれ買い求めることができて、何よりの収穫であった。そしてご主人は、わさび漬けやしょうが漬けなどあれもこれも袋に忍ばせてくれ、見送ってくれたのだった。


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