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畑薙大吊橋〜茶臼小屋
2014/10/17〜19


横窪沢小屋


 10月17日(金) 1日目  

 今回は、1日目に聖岳に登り2日目に茶臼岳を登るコースを計画していたが、台風19号による大雨で林道が予防的に全面的に通行止めとなった。その後、通行止めは解除されたが、沼平ゲートから先の「中の宿吊橋」「聖沢登山口」付近の林道が100mにわたって崩壊していると、二軒小屋ロッジの職員から電話が入る。


畑薙大吊橋に向かう 

 これらの情報を得ようと、東海フォレストには何度も電話を掛けたが話し中の状態が続き、たまたま宿泊を予約していた二軒小屋ロッジからの宿泊確認の電話で詳細を知ったのであるが、東海フォレストのホームページはありきたりの、ブログは古い記事しかなく、大事な情報を臨機に発信しない、あるいは発信できないということに驚きを感じざるを得なかった。ヤマケイオンラインでは少しタイムラグがあるものの、最低限必要な情報が載せられていたが、利用者はまずは東海フォレストのホームページを見るだろうに・・・。林道を独占的に使用し、情報は小出しというのでは困ったものだ。


ウソッコ沢小屋

 ということで、東海フォレストの送迎や施設等の利用は不可能だが、晩秋の南アルプスの稜線漫歩は捨てがたいし、折りしも台風通過後の好天が数日間続くということなので、沼平ゲートから入って茶臼岳〜聖岳を往復することとした。新東名の新静岡ICから井川までの山道が通行止という情報も、静岡市役所に問い合わせると、三ッ峰落合線が通行できるという。ということで、問題となる点はほぼなくなった。あとは、ヤレヤレ峠手前の橋が流された場所がどうなっているかだが、行ってみるしかない。結果的には台風の影響はどこにもなく、橋が流された場所は丁寧に登山道が付けられていた。


茶臼小屋

 今回の登山は軽量化を旨とするものの、小屋での憩いのひと時になくてはならないビールと日本酒は全員がしっかりとザックに忍ばせることとした。朝夕の食事は4人で各食を分担し、各人が趣向を凝らすことにしメニューはお楽しみとしていたが、ツェルト担当でない人がザックの脇にポールらしき物を括り付けていて、これが「葱」とばれて、1日目の夕食が俄然楽しみになった。 

 
深夜、畑薙第一ダムに車を停め、テントを張って夜明けを待つ。朝食後沼平ゲートに車を進め、ゲート脇にある南アルプス登山指導センターに登山計画書を提出する。指導センターでは、林道の崩壊で閉じ込められた人の救出が行われること、茶臼岳には一人が入って行ったことを知らされる。林道を歩き、大吊橋を渡ったあとは、ヤレヤレ峠、ウソッコ沢小屋、中の段、横窪沢小屋、水呑場、ベンチ、樺段と山地図に書かれたところで休憩しながら歩みを進める。小屋までの標高差は約1,500mほどあり、我慢して歩くしかない。


青薙山から派生する尾根を遠くに見る

 下山者に出会った。前日、茶臼小屋に泊まったという人だった。「台風19号の影響は酷かったようですね。沼平のゲートにパトカーが2台停められていましたが、椹島ヒュッテに閉じ込められた人の救出でしょうかね。」と尋ねると、その人は、「あれは8月に遭難死した人の遺体搬出なんですよ。聖岳登山口から入った人が、増水によって登山道に水が出たと見誤って登山道でない沢状のところを進み、後続者が間違いに気付いて声を掛けたものの足が速く届かず、結局その人は聖岳東尾根を越えて行ってしまったんです。」と教えてくれた。(このことはkatayamaさんの静岡の山と渓谷に詳しく書かれている。) 椹島ヒュッテに閉じ込められた人の中には自力で聖岳経由で下りる人もいるとのことだった。3日間、すれ違う人とはことごとく会話を交わしたが、そのような人たちとは会わなかったから、易老渡へでも出たのだろうか。 

 その後も、急な登りの道を汗を流しながら登る。ようやく茶臼小屋を望む。源頭からの水が豊富に流れている。小屋にはまだ誰もいない。飲み物を源頭の流れに浸してから諸準備にかかる。Sさんが持参のとっておきの「生」「原酒」をいただく。こんな山の上でビンに入ったお酒をいただけるなんて・・・。Fさん特製のすき焼き鍋の底が見えるころ3人が到着した。満天の星を見てシュラフに潜ると、今日の疲れと日本酒の心地よい酔いで一気に眠りに就く。


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