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鳳凰小屋から南御室小屋を経て夜叉神峠へ
2014/11/ 7〜8


観音岳からの富士山


 11月 8日(土) 


鳳凰小屋(テント場から)

  鳳凰小屋テント場の夜が明け、テントから出てみると、テントが2張り増えていた。小屋が締められた晩秋の平日に4張りものテントがあるということは、なかなか興味深い現象だ。旧態依然の山小屋では面白くないという人が増えて当然のことだろう。団塊ジュニアの世代がテント泊の登山にはまってきていると経済番組で言っていたがどこのテント場でも肌身で感じられるようになってきた。(この日は予約があって小屋を開けていた。)


鳳凰小屋のテント場

 夏場の鳳凰小屋はテントを張る場所もなくなるほどだったとか。しかし、シーズンが去った今は静かで落ち着いた雰囲気の中でテント泊を楽しむことができる。小屋の水場は、すでに水は止められているので、沢に下りて水を汲む。大岩の下から水が流れている。新しくなったトイレは、小屋番さんが早いうちに掃除をしてくれている。


北岳 観音岳から

 テントを撤収して小屋を離れる。水場から観音岳への近道を行く。この道はほとんどが樹林の中なので強風の影響を受けないが、稜線に出ると冷たい風を受けることになるので、樹林の中であらかじめ防寒対策を施す。岩稜稜線(と言っても風化した花こう岩が主体)を観音岳に向けて歩く。


薬師小屋と薬師岳

 観音岳から薬師岳、薬師小屋を通り南薬師小屋へと向かう。途中、薬師小屋で一息入れていると、この日初めての登山者が現れる。

 山では熊には遭いたくないが、無口で無愛想な登山者ともすれ違いたくない。もう一つ会いたくないのが、普段人通りのある登山道で熊鈴を鳴らして歩く種族である。これらは文化的背景の違う異民族と言っていい。その点、薬師小屋の張り紙は親切である。


南御室小屋に下りる

 そんな親切な小屋もときにはとんでもないことをする。ここ鳳凰三山の小屋の間違いは、木や岩にペンキでベタベタとマークを付けていることである。特に大きな岩に真っ赤なペンキで大きく×を付けることに違和感や不快感を覚えないのが不思議である。それともオーナーに言われて従業員が仕方なくのことなのだろうか。


南御室小屋

 南御室小屋で、一息入れる。この小屋の水場は(掘り起こすことができれば)真冬の厳寒の中でも水を得られる。小屋の煙突からの煙がたなびいている。ベンチから見る小屋は暖かそうだった。


苺平へ向かう

 南御室小屋からは再び鬱蒼とした樹林帯に入る。辻山を巻く登山道を苺平へと行く。苺平は感じのいい地名だが、地名から想像できるような植生はない。見通しもまったく利かないし、平坦なところも少ない。


マユミ 夜叉神峠で

 山火事の跡でいったん視界が利き、白峰三山を見る。再び樹林帯に入ってベンチを目標に淡々と歩く。いつもは休憩場所とするベンチも野呂川からの強風が吹き付けているのでスルーし、杖立峠の道識がある尾根を越える場所で一息入れる。休みには山に来るという若者たちと話をした後、夜叉神峠小屋に向かう。いつもは北岳を見に来る人も多い夜叉神峠小屋前の広場に人はなかったが、そのうちに老夫婦が上がってきた。その昔の登山の話を聞いた。華々しい登山とは縁がなくなっても、こうして山に触れている姿を見ると、自分もこうありたいと思うのであった。


夜叉神峠登山口

 夜叉神峠登山口の駐車場には多くの車が停められていた。その割に人の姿を見ることはなかった。お気に入りの桃の木温泉で日帰りの温泉入浴。風呂場にはひしゃくが置いてあって温泉を飲むことができるというのは、さすがに秘湯の温泉場である。桃の木温泉を知るまでは、芦安の駐車場に近い温泉?を利用していたが、いつもカルキ臭を持って帰っていた。


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