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越後の花の山 坂戸山

 2010年 5月15日 



城山コース中腹の雪渓脇で咲くカタクリ

「新*にいがた 花の山旅」という本を見ては、シラネアオイやイワウチワの咲く新潟の春の山に思いを寄せていた。この本では、坂戸山は紹介されてはいないが、カタクリが咲く山として、また、NHK大河ドラマ「天地人」のロケ地の一つとなったところとして賑わいを見せるこの山をいつかは訪れてみたいと思っていた。


イカリソウ

 山の記録も写真も素晴らしいkanamoriさんのホームページ「山の写真集(必見)では、2006年5月21日に登った坂戸山を紹介しているが、2010年の他の記録をチェックすると、もうカタクリは終わりイカリソウやイワカガミが咲いているとのことだった。カタクリが咲いていなくても、ハイキング気分で新緑の山を楽しみ、魚沼の米を使ったお昼ご飯を食べることを目的に、車を六日町へと走らせる。


イカリソウ (シロバナ)

 鳥坂神社の駐車場に車を停め、城坂コースを登る。坂戸山には坂戸城跡があるが、麓には家臣の屋敷跡を偲ぶ石垣が残されている。登山口からわずかの距離だが、その周囲はカタクリで埋め尽くされている。斜面を登っていくとスミレが咲き、イカリソウがちょうど見ごろとなっている。登山道脇にびっしりとあるカタクリは、どれももう実を付けている。エンレイソウやイワウチワはもうとっくに花の時期を過ぎ、ショウジョウバカマも花柄が落ちている


スミレ

 沢の流れに沿った道を登っていくと雪渓が残っている。その周囲や日陰となる山の斜面にあるカタクリが花を咲かせている。それにしてもすごい数のカタクリだ。いったん登り詰めて、城郭のあった桃之木平に出る。ここはまさにカタクリの絨毯、花はほとんどが終わっている。


坂戸山全景(城坂コースは真ん中)

 山頂の実城(みじょう)と呼ばれるところに着いた。神社が置かれている。八海山、金城山、や巻機山、万太郎山などの好展望が得られる。さらに先に進んで小城、大城と進んで行き止まりとなるが、登山口からここまで1時間半ほどの間、途切れることなく延々とカタクリがあった。それも重なるように!稜線の新緑とツツジの花も印象的だ。


魚野川越しに望む八海山と右奥に越後駒ヶ岳

 復路は来た道を桃之木平への分岐まで辿って、主水廓(もんどぐるわ)への道を辿る。すぐ桃之木平への道を下り、城坂コースを歩く。中腹を縫う道をいったん山沿いに歩いて樹林帯に入ると、標高250mほどのところでイワカガミの花が真っ盛りであったのには驚いた。主人公のカタクリは、どこを歩いても途切れることはなく、つまり、坂戸山は全山カタクリで埋め尽くされている山であるということが分かったことが、今日の山登りの大収穫であった。


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