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ホワイトアウトで道を失い 谷川岳
2010/ 3/13


晴れていても万一に備えログは取るべきと実感!(当日の肩の小屋周辺でのログ)



いざ谷川岳へ

 天気予報では、午前9時ごろから麓の水上町で雨が降るとのことだったが、山は行ってみなければ分からないし、新調した登山靴zamberlan ザンバラン・ローツェGTの履き具合も調べたいと、関越を走る。国道291号線清水街道が土合駅に近づくころ、路面はほんの一部アイスバーンとなっている。スタッドレスタイヤを履いていてよかった。谷川岳ロープーウェイ乗り場の6階待合室は、登山者とスノーボーダーなどが始発を待っている。


肩の小屋から万太郎山方面への稜線

 ロープーウェイで「てんじんだいら」駅に上がり、腹ごしらえをして、まず熊穴沢ノ頭先にある避難小屋を目指して登る。気温は6℃、雪は湿っている。小屋は屋根もまったく見えないほど雪に埋まっている。天神尾根を快調に登り、もうすぐで肩の小屋というところで風が強くなって雪も降ってくる。気温は急降下し0℃になる。視界は保たれているのでそのままトマノ耳に登り、昨年は行かなかったオキノ耳まで足を延ばす。


オキノ耳

 視界が利かなくなってきたので、オキノ耳で頂上標識にタッチしてUターンし、探るようにして肩の小屋に入る。まったく視界が利かないので、ゆっくり昼食時間を取る。それでもいつまでも待ってはいられないと外に出る。赤布がうっすらと見えるので天神尾根方向を目指し歩く。しかしすぐ完璧なホワイトアウトとなる。ザンゲ沢に向かって下りているようなので修正しようとすると、広い稜線を小屋の方向に向かって登っていたのだった。これはいかんと、ガスで曇ったメガネをはずし、GPSで登ってきたときの軌跡を探す。わずかな距離ではあったが、完全に自分を見失っていた。くわばらくわばら!
          谷川岳におけるホワイトアウトによる遭難事故事例(新潟県警資料

  2009年4月の早朝、肩の小屋からトイレのために外に出た男性が、ホワイトアウトの状況で戻れず行方不明となり、午後に小屋から150mほど離れた場所で沼田警察署救助隊や同行のメンバーの捜索により、雪洞を掘って避難していたところを無事救出されたことがあったなど、この小屋の周辺でもそのほかの遭難事例があるそうだ。実際にホワイトアウトを経験すると上越国境のガスの怖さが身に凍みる。


退避中のスノーボーダー

 肩ノ小屋から標高を2〜300mほど下げたころで、何組かのスノーボーダーがツェルトを被り視界が晴れるのを待っている。さらに標高を下げると視界も利くようになり、雪洞を掘ったりテントを張って週末を楽しもうという人があちこちで見られるようになった。朝方は雪の中にすっかり埋まっていた熊穴沢の避難小屋も、中に入ることができるように掘られている。


雪洞訓練中 (中腹から上はいまだ濃いガスに覆われている)

場所
てんじんだいら 0800 1240
0850 熊穴沢避難小屋 0850 1210 1210
0950 肩の小屋 0950 1030 1130
1000 トマノ耳 1000 1025 1025
1015 オキノ耳 1015
往路 復路

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