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谷川岳 (2013)


谷川岳 オキノ耳


 10月19日(土) 

 小屋の中が明るくなったので目を覚ます。天候がよければ馬蹄形で歩くという男性2人が起きて、ローソクを燃やしているところだった。(使いかけのローソクは誰もいらないから、持って帰りましょう。)あれこれと出発準備に忙しそうだったが、眠気に勝てずそのまま就寝継続。2人がそろそろ出発というところで、ペアお二人も起き出したので、シュラフから抜け出し身の回りを片付ける。

 
茂倉岳避難小屋

 ヤマテンの予報はピッタシで、上越側の展望はいい。今日は西黒尾根を下りて湯テルメで入浴というスケジュール。何度か通った谷川岳なのでルートは問題なし。意気揚々と小屋を出発し、雪の残る登山道をサクサク(?)と茂倉岳に登る。上州側からオジカ沢ノ頭から万太郎山の稜線に向けてガスが押し寄せ、間もなく稜線を越えてくる。


茂倉岳避難小屋

 そのうちに反対側の武能岳もガスですっかり覆われてしまい、ガスがまるで滝のように谷に下って行く。茂倉岳から下り始めると肩ノ小屋に泊まったという人たちとすれ違うようになった。まだというのに、一ノ倉岳からの下りでもまだ午前8時前だというのに数人とすれ違う。このころから雲海はますます発達し、広大な海原を作っている。


雲海に飲み込まれた武能岳

 一ノ倉岳の下り斜面から見る雲海にまとわりつかれた谷川岳は大海の中の孤島のようだ。一ノ倉岳を下ると雲海の中に入り込み、視界は10〜20mほどとなる。レインウェアーなどを着用していない衣類は、ガスを纏いびしょびしょとなってくる。 


茂倉岳方向からの一ノ倉岳

 オキノ耳に登ると、人だかりである。ここを素通りしトマノ耳に出ると、文字通り一瞬視界が開け、頂上に滞留している人たちから歓声が上がる。今回は肩ノ小屋には寄らず、西黒尾根を下りようとトマノ耳から左手に出る。「厳剛新道」「西黒新道」を指している標識が上を向いている。おかしな標識だなと横目で見ながら、きちんとした道を辿る。


一ノ倉岳の下りから見たオキノ耳

 もう午前9時過ぎ、まだ午前9時過ぎなのに、ずいぶんと人が登ってくる。それにしても西黒尾根も人気のコースなのだと勝手な解釈をしながら多くの人と交差する。少し足場の悪い岩でグループの若い女性が登りかねている。「左の岩に足を乗せて、右手で右の岩をしっかりつかんで体を持ち上げて・・・。」などと下りの余裕でアドバイスするが、「登れな〜い。」というので助け船を出す。ここまではいい気なものだった。


仙ノ倉山や万太郎山から派生する尾根を越える雲海

 子ども多いし、スニーカーで来ている人もいる。西黒尾根って、そんな人たちにでも登られるコースなのだ。・・・・。・・・・。いったん傾斜が緩む。ポッと避難小屋に出る。「熊穴沢避難小屋」だというのは、看板を見なくても分かる。落胆は大きかった。


奥ノ院を振り返る

 かくなる上は、ロープウェイで下りて楽をしよう。さらに路線バスに乗ることができれば上等と、ロープウェイの人となる。谷川岳ベースプラザ前11時00分発の路線バスにどうにか間に合い、土合駅へ。日帰り縦走派の人の車が多い。湯テルメ谷川で体を温めてから、関越自動車道を走る。


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