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茶臼岳から光岳 あこがれの光小屋でテント泊 
(2015/ 8/22〜24)


茶臼小屋のテント場(2日目の朝) 


 2015年 8月23日 (2日目) 
この日の行程 :茶臼小屋06:25〜06:56茶臼岳07:00〜07:43希望峰〜08:47易老岳08:55〜09:45三吉平〜
10:46県営光小屋11:32〜11:47光岳〜12:01県営光小屋(泊)


茶臼岳への登山道とテント場

 1日目の疲れはほとんど取れた。早く目を覚めたので換気口から外を見てみると濃霧である。前室に置いた登山靴はしっとりしている。もう少し様子を見ることにする。ただ、3日目の明日の予報は晴れマークだったので、今日は天候が悪くても光岳へは行くのだ、と固い決意である。テントの外が少し明るさを見せてきたので出てみると、富士山が顔を出している。ただ、かさ雲がかかっていて、早朝から湧き上がっている雲もあって、不順な天候を予想させる。


京都府舞鶴市の酒造会社ハクレイのお酒で憩う

 隣にMSRのテントを張った人は早々にテント場を発つ。茶臼岳稜線に出る人もそこそこいて、その背中を朝日が射すようになった。テントを畳んで稜線に向かうおうとするころになって、全体が急に濃いガスに覆われる。稜線のほうから2人が下りてくる。「稜線に出るまでが大変でした。強い風が吹き付けており、何かあったらと思って茶臼岳に登るのをやめて、これから下山するところです。」と言う。昨年2014年11月14日〜16日の日程で初冬の光岳を楽しもうと稜線に出ようとした。しかし、稜線にあと20mもないというところで強風に阻まれて先に進むことができなかった。茶臼岳への鞍部の強風は夏でも冬でもとんでもなく強いことがあるのだろう。


光小屋の小屋下のテント場

 しかし今回は、風が如何に強かろうが光岳に行かなければならない。憧れの地でのテント泊のために・・・。というより現実的には歩けないほどの風ではなかった、というより帽子を飛ばされないように、ザックカバーを風で持っていかれないように注意する程度のものであった。(カモシカスポーツのザックカバーはこのような時に使い物にならないほど、ずさんなものであった。少しは使う者の身になって製品づくりをしてほしい。中身を見ないで買ったこちらが悪いのは承知の上で・・・)


光小屋前テント場で登山者が衣類を干す

 茶臼岳の頂上から少し先まで我慢すれば、あとは東斜面のガレ場であり強い風を避けられるし、その後はどこまでも樹林の中を歩くので強い雨さえ降らなければいい。そういうことを思いながらガレ場を下ると、先に出発して行ったMSRの人が山地図を見ながら立ち止まっている。茶臼岳頂上から岩場を歩き急に尾根を離れてガレ場に下るようになると、初めての時はこの道は沢にでも下りてしまうのではないかとの思いにさせられる。ましてや視界が十分に利かない時にはなおさらである。「光岳に行かれるんですよね。」とだけ声を掛けて先に進む。



手前右側のmyテント グリーン

 ガスで曇る易老岳に着いて休憩していると易老渡から登って来たと思われるトレラン姿で軽装の3人がやってくる。そのテーピングテープが痛々しい。光岳への方向を聞かれたので、方向と貼られたテープの在りかを伝えて先に出発する。易老岳はどの方向から来てもちょうどいい休憩地点となっており、次々人が休憩していく。


見苦しい衣類乾燥

 易老岳からいったん標高を下げ、三吉のガレで止まらず、三吉平もノンストップで静高平までの厳しいガレた斜面を汗だくで登る。小屋泊まり様の軽装の男性が後ろをピタッと付けてくる。ちょっと離そうと思うと息が乱れるので淡々と、淡々と休むことなく登り続けると後続の男性はいつの間にか視界から消えていた。静高平の水場は豊富に水が出ていた。ここで水が得られるときは光小屋は水の提供をしないのでたっぷり汲み上げる。

大歓声が沸き起こっているのでおっとり刀で行ってみると

 光小屋に着くと、小屋傍のテント場は一番乗りであった。昨年秋と今年の春に冬季小屋(といってもここは入口が冬季用に2階になっているだけで、小屋は管理部分を除きフルに開放されている)を使わせてもらったことを管理人さんに伝えるとたいそう喜んでくれて「茶臼小屋のように仕切っていないから寒かったでしょう。」と心配してくれる。「今日はあまり天気がよくないけれど、テント場は一杯になるから端っこから使ってください。」と言われたとおり、こじんまりしたテント場で10張りは厳しいかなという広さである。とてもきれいに整備、清掃された、あこがれのテント場にようやく我がテントを張ることができた。これで光小屋(光岳)は5回目の訪問である。


聖岳がドッカ〜ンと・・・

 午後の早いうちから小屋前のベンチで酒を飲み、他の人たちと山の話に花を咲かせる。北アルプスを予定していたが予報が悪く、唯一ここが何とかなりそうだったから来たという人も少なくなかった。本当はジャンダルム〜槍ヶ岳の予定だったが、岩場が乾いているとき以外は入りたくないので、光岳にして大正解だった。稜線に多くの人が出て歓声を上げているので行ってみるともうガスに隠れようとする聖岳がでっかく見えている。その光景から離れることができないといった風情で、いつまでの遠くの山を見ているのであった。


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