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八ヶ岳/西天狗岳で極寒体験 (2014)
2014/ 3/ 7〜8
Team Hidaka Vol.


天狗岳


 3月 8日 (土) 

 起きてみるとテントの中に雪が積もった(とは大げさだが)ような状態となっている。吐く息、身体から蒸発する水分が雪のようになってテント内側に張り積もっている。ガスバーナーに点火し少し融けたところを布巾でふき取る。さらにバーナーを燃やし続けるとすぐに霧散してしまった。今回使ったテントは冬使用ではなく、夏用のフライシートをそのまま使ったので、問題は出入り口のファスナーの開閉であったが、運よく着氷することはなかった。ただ、フライシートの裏側は着氷ですごいことになっている。


黒百合ヒュッテのテント場

 テントの換気口から外をのぞいてみると、ガスが掛かっているが行動に支障のあるような状況ではない。昨日に続いてもう一度天狗岳に登る手もあった。しかし、衆議は昨日の単独氏が難渋したという中山峠から中山への道を辿って、中山展望台から雄大な景色を見ることに決した。トレースは単独氏の一人分しかないはずだし、昨晩も雪が舞っていたことからそれも全部は当てにできない。短い行程ながら慎重に進むことにする。


中山へ向かう

 黒百合ヒュッテから中山峠までは既に今日のトレースがすっかり出来上がっている。中山峠から中山方向へは単独氏のトレースが樹林の中に残っているが、最初のうちは稜線を歩いていない。一度稜線に出てみると雪が深く稲子岳側が急斜面となっているので、氏のトレースに従うために稜線を離れる。その氏のトレースが稜線に向かったところを辿るとニュウと中山を分ける分岐点に近い尾根であった。


中山の手前で

 分岐から徐々に高度を上げて樹林帯を抜けると空は一気に晴れてきて、展望が広がる。天狗岳が姿を見せる。天狗岳の頂を雲が早い流れでかすめていく。中山峠に向かうが蓼科の風景を見るより天狗岳を見るのがよかろうと、すぐさま踵を返す。飽きることのない天狗岳の眺めである。


テント泊 最高!

 雪山の景色を十分すぎるほど堪能したので、元来た道を下りる。テントを撤収して去り難い思いを胸に黒百合平からパノラマコースに向かって下りる。天気が回復した土曜日とあって、次々と登山者が登ってくる。その数は尋常な数ではない。渋の湯の駐車場は道路にもはみ出すほどですごいことになっている。 渋の湯から渋辰野湯旅館の間の道路は一車線分しか除雪されていないので、下から登ってくる車との交差を心配したが、運よくすれ違う車は少なかった。それもそのはず、渋の湯の駐車場が満杯だからと渋辰野湯にも多くの車が停められ、ここから道路を歩いて登って行っているとのことだった。若かりし頃ツーリングで訪れ宿泊した渋辰野湯旅館は昔のままの佇まいで、ちょっと甘酸っぱい青春のときを思い出した。


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