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タワ尾根から酉谷山
2010/ 4/25〜26


 4月25日(日)


自然木の中を歩く タワ尾根

 2010年2月25日に酉谷山避難小屋で同宿した奥多摩の山が好きなおじさんは、タワ尾根を20回以上歩いたと言っていた。一方、自分は何年か前の雪のちらつくころ、タワ尾根の登山口の岩場の急斜面を見て怖気づき、そのまま自宅に戻ってしまったという体たらくであるが、ミズナラやブナの新芽が見られるだろうと、今回やっと憧れのタワ尾根を登り、金袋山〜ウトウノ頭〜酉谷山を歩いて酉谷山避難小屋に宿泊し、横スズ尾根を下山することとした。(参考としたHP)

 ゴールデンウィーク前の快晴の日曜日とあって、奥多摩駅は、山へ向かうバスを待つ人で一杯だった。東日原まで車を走らせ、バス停近くの駐車場に停める。タワ尾根の登り口となる日原鍾乳洞まで歩き、燕岩の手前、一石山神社から登る。神社の裏手上部に金袋山への標識があり、標識を右に見て左方向に進むと踏み跡があり、それが石積みの登山道に続く。花はスミレ類が多そうだが、まだ花をつけるには至っていない。


このようにしっかり地に根を張って生きましょう!

 一石山手前で日原からのルートが合流する。よく踏まれていて、歩く人が多そうだ。その分岐からすぐ先に一石山の標識(手製)がある。一石山から自然林の中、ゆっくりとした傾斜を登る。蕾のスミレが多い。そのうちにミズナラの巨木が現われる。巨木は尾根の南西面にあり、尾根に乗って北に向かうと人形山である。快適な自然林の尾根を歩くと右手の小川谷林道から上ってくる道が合流する。男性が地図を見ながらその道を登ってくる。篶(すず)坂ノ丸の登りで追い着かれ追い越される。上からは大学生のグループが元気に下りてくる。雲取小屋から来たという。まだ昼前なのに、やはり若さだなぁ。


ユーモアのある人が落として行った?

 ウトウノ頭に着くと、追い越したおじさんが昼食中だ。ここには手彫りのカラフルな山頂標識があったはずなのに、ない。今回の楽しみの一つだったのでがっかり。ウトウノ頭北側の凍った急斜面を下り、次の日あたりのいいピークで昼食とする。
 次に進むと岩に「×」印が赤ペンキで描かれている。ならばと踏み跡のある小川谷林道側を下りるが、イワカガミやシャクナゲが生えている細い踏み跡は、3mほどの垂直な岩場になる。ここを落ちれば3m下の靴幅2つ分の場所から谷に落ちてしまうので、緊張する。無事に下りて少し歩き、また垂直の壁、そして最後の急傾斜の岩場でコルに着くが、ここが今回の唯一の難関であった。コルに出てみれば何のことはない、×印が描かれた岩の左、孫惣谷側を巻けばいいことであった。


憧れの標識は盗まれた?

 コルから再び急斜面となり巻きながら尾根に出ると、そこには運搬用のモノレールが尾根のいい場所を陣取って走っている。お陰で踏み跡はモノレールの右だったり左だったりと煩わしい。
 滝谷ノ峰下で長沢背稜にぶつかる。男性が雲取山方向からやってくる。「ここは歩けるのですか。」と聞き、ならばと予定を変更して下りて行く。快晴の日曜日ながら長沢背稜もここまで歩いてくる人は少ないと見え、土砂で消えた登山道に付けられた足跡は1人分しかない。しめしめ、今宵の酉谷避難小屋は多くて先人一人、多分時間が早いから一杯水避難小屋まで行っているのかもしれない、とほくそ笑む。
 気温6度、ところどころに霜柱が残る長沢背稜を行福ノタオから酉谷山山頂を目指す。熊倉山へ道を確認したい。


×印の岩の下部を長沢背稜方向から見る

 酉谷山の頂上から熊倉山方面の稜線を確認する。もう少し歩くと酉谷山避難小屋だ。ウキウキとした気分で山を下り、酉谷山避難小屋を見る。と・、小屋脇でおじさんが干したテントを片付けている。近づいてみると、おじさんは2月に同宿した人だった。「前にご一緒しましたね。」とあいさつすると「ザック(お気に入りの「オスプレイ」)であんただと分かったよ。」とのこと。おじさんは板の間一杯に広げていた荷物を片付けてくれる。 


今宵もありがとう 酉谷山避難小屋

 しばらくすると、一杯水からご夫婦が来て、次に単独の男性が来て、また一人来てと、結局板の間は一杯になり、おじさんは隅に追いやられる。ビールを飲みながら、ワインを飲みながら話しに花を咲かせ、持ってきた肉や野菜ですき焼きをつつくが、酔いが回っていた? 鍋をひっくり返し、すき焼きは土間に散らばってしまった。よって、食べる物もなくなったし、奥多摩の宵も深まったので就寝・・・。


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