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ツキノワグマも元気
鷹ノ巣山〜雲取山〜酉谷山(避難小屋)〜ヨコスズ尾根縦走
2010/12/1〜2
朝の雲取山避難小屋からの風景
■ 12月 2日(2日目) ■
午前4時半、まだ誰も起きない。今日(2日)の行程は酉谷山までなのでゆっくりと起きて、ゆっくり長沢背稜歩きを楽しむ予定であったが、天気予報は3日未明から風速20mの風雨になることを伝えている。今日中に東日原に下りることも考慮し、6時までに出立することにする。小屋の外に出てみると美しい朝焼けで、ガスがもくもくと沸き立って尾根を越えてきている。
雲取山の山頂に立つと三ッ山、飛龍山や和名倉山方面がすっきりと眺めることができる。雲取山を雲取山荘に下りると前方からヘッドランプの灯りが見える。道を譲ってすれ違うとき「アンニョイ・カセヨ」と言ってくる。雲取山荘近くになると女性が「おはようございます。」と言って登ってくる。この人は昨日、小雲取山の登りであいさつしたが、無言の人だった。ずいぶんと飛ばして追い越していったので、そのときはたいそう疲れていたのだったのだろう。
不機嫌な雲取山荘
昨晩、雲取山避難小屋でマルタイの棒ラーメンを作ったりして水の残りが心もとなかったので、雲取山荘に水を求めた。小屋の主人は「水はないよ。」「水は凍っているよ。」とぶっきらぼうに言う。それは私が悪うございました。この時間に小屋を訪れると言うことは避難小屋に泊まった利益対象外の人物だからね。でも、帳場の前の冷蔵庫にはペットボトルに入った水があるが、あれは何なんでしょうか。400円也。
雲取ヒュッテという名ばかりの放置され廃屋となった小屋を過ぎ、大ダワに出る。しばらく行って秩父・三峰方面と分かれ、芋ノ木ドッケへの斜面に取付く。そう言えば2002年の暮れにここを登ったときは雪が多かったななどと当時を思い返すが、それ以外の記憶は戻ってこない。
長沢背稜の倒木帯
樹林帯、倒木帯を経て桂谷ノ頭に出ると稜線は岩稜に変わり、一帯はアズマシャクナゲの群落であり、足元にはイワカガミやイワウチワが見られる。桂谷ノ頭を少し過ぎ秩父側の赤い屋根の大きな建物が見えるところでFOMAが電波を拾う。行程管理人に現在位置を連絡する。その後長沢山でも電波を拾うがやはり赤い屋根が見えるところだった。
天祖山分岐の水松山(あららぎやま)に着く。日原側はガスで覆われ、加えて風も強く気温は4度しかない。滝谷ノ頭(タワ尾根ノ頭)手前は開削されヘリポートができている。酉谷山に至る分岐の行福ノタオをやり過ごし、そのまま巻き道を使って酉谷山避難小屋に出る。まだ時刻は午前11時40分と早い。小屋に入って一息つく。谷から強い風が吹き上がり、ガスを伴っている。
酉谷山避難小屋(トイレ側から)
とりあえずトイレをのぞいて見る。雲取山避難小屋のトイレは躊躇するほど薄ら寒く汚かったが、今日の酉谷山避難小屋のトイレも一歩前に進まないことによる(男性?の)小便によって相当汚れている。まず、トイレのコンクリート部分を水で洗い流してすっかりきれいにする。あ〜、すっきり!
昼前の天気予報は、明日朝の台風並みの風と強い雨が通過することを伝えている。ヨコスズ尾根を下って4時間、明るいうちに下山できるからと、昼食を取らず小屋を後にする。長沢背稜に出るが相変わらず寒い。七跳山まで1時間、一杯水避難小屋まで1時間と黙々と歩く。
ツキノワグマが転がっていった斜面
一杯水避難小屋前で少し腹ごしらえをし、ヨコスズ尾根を下る。急いで尾根を下りていたから落ち葉に隠れた登山道の木の根や石に木を使い足元を見ていた。小屋から20分ほど下りたとき、登山道左手の斜面からザワザワと音がする。落石かな、鹿かなと思って顔を上げると、登山道右手斜面を大きな岩が転がっていく。倒木の手前で急に岩が止まった。そして岩がこちらを振り向いた。耳がある、顔がある。ツキノワグマだった。ツキノワグマは再び落石が斜面を転がるようにして谷に向かって駆け下りていった。
もう大腿四頭筋には脂肪分がなくなったとみえ、筋肉のそれぞれの筋がバリバリと音を立てているように感じる。一気に1000m近くを下りるので、体は熱を帯び汗が流れ落ちる。足は突っ張ってくるが、我慢しながら東日原の駐車場にたどり着く。着ているものすべてを着替えるとようやく生き返った。
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往路 | 復路 | |||||
着 | 発 | 地点 | 着 | 発 | 地点 | |
0735 | 東日原 | 0605 | 雲取山避難小屋 | |||
0845 | 0850 | 稲村岩 | 0602 | 0603 | 雲取山 | |
1035 | 1035 | ヒルメシクイノタワ | 0650 | 0650 | 大ダワ | |
1100 | 1120 | 鷹ノ巣山 | 0715 | 0715 | 長沢背稜分岐 | |
1240 | 1245 | 蜂谷分岐 | 0745 | 0745 | 芋ノ木ドッケ | |
1310 | 1315 | 七ッ石小屋 | 0925 | 0925 | 長沢山 | |
1340 | 1340 | 唐松谷分岐 | 1005 | 1005 | 天祖山分岐 | |
1410 | 1415 | 奥多摩小屋 | 1040 | 1040 | タワ尾根分岐 | |
1520 | 雲取山避難小屋 | 1140 | 1215 | 酉谷山避難小屋 | ||
1410 | 1415 | 一杯水避難小屋 | ||||
1610 | 東日原 | |||||
所要時間 | 7時間45分 | 所要時間 | 10時間05分 |