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酉谷山避難小屋から矢岳を経て武州中川駅に下りる

2011/12/4〜5


夜明け前


■ 12月 5日(2日目) 


小屋の窓から

 ゆっくり本を読むつもりが、シュラフに入れた湯たんぽの心地よさですっかり寝入ってしまいました。目を覚ましてみるとまだ午後10時です。それでも7時間歩いた疲れで再びすぐ寝付いたのですが、次に目を覚ましたら小屋の窓から富士山が見えるほどの時刻になっていました。今日はもと来た道を戻るのですが、いくつものピークを上り下りして行かなければならなりません。そういうことで早立ちをしたいのですが、あまりにもいい天気にのんびりムードが勝ってしまいます。


酉谷山避難小屋

 コーヒーを淹れてリフレッシュし、今日一日の栄養をと野菜たっぷりの豚汁を作ります。食事が終わればパッキングですが、その前に恒例の掃除と残置ゴミの回収を行います。それにしても、1月以上前の古新聞、古雑誌の残置には、トホホ・・・。



 さて、今日も無風快晴です。朝一番の気温はマイナス1度でしたが、陽が高くなってきて稜線を歩いても暖かです。しかし、それは長沢背稜を歩いているときだけで、長沢背稜から離れると登山口までの長い樹林帯に入らなければならないので、多少憂鬱です。その上約1、300mほども下るのですから、なおさらです。


プロムナード

  これまで2度、矢岳から酉谷山避難小屋まで歩きましたが、その時は北側急斜面のアイスバーンを恐れ、逆ルートを下ったことはありません。この尾根も昨日で3回目となって、踏み跡の様子や景色は覚えましたが、それでも逆ルートで見る景色はまた違ったものになります。登るときより急に感じる傾斜がこんなにもあったなんて、思ってもみなかったことです。



立橋山

 特に長沢背稜の高みから見た立橋山の急峻さは抜きんでいたものの一つです。画像を見ると手前の樹木が邪魔をして山の全容はお見せできませんが、なかなかの迫力です。この山の南面はごつごつした岩場になっているので、丁寧に足場を確認して登り切ります。


馬酔木の尾根

 この辺を歩く人はそう多くないものと見られ饒舌な赤テープなどはなく、ところどころ、要所に色あせたテープが巻かれています。しかし、いったん矢岳を過ぎると、荷造り用のビニール紐をだらしなく巻いたものが多く、またこれが脱色するなどして醜い光景を曝け出しています。それに引き替え、粘着・非粘着に拘わらず簡潔・丁寧に巻かれたテープはすっきりしていて頼りがいもあります。それもシタジノクビレまで下りると少なくなるので、この山域に入る人のビクビクした気持ちもこの辺から始まっていることが分かります。


篠戸山

 ・・・と、大きな口を利きましたが、標高700mの尾根で一度道を失ってしまいました。というのも、その尾根が登りのときに感じた傾斜よりあまりにも急だったことや、登山道のたっぷりと落ち葉が堆積していて曲がって下りるべきところを、勘違いしてしっかりした踏み跡をそのまま進んでしまったのです。ただ、だんだんと踏み跡がなくなって武州中川駅方面から離れたので元に戻ると、本来の道は尾根を急降下すればよかったのでした。


名残の黄葉

 その後、薄暗い植林地帯を淡々と歩き、鹿除けネットを出て麓に下りると眩いばかりの光が降り注いでいます。遠慮がちに日陰に停めておいた車は今朝の寒さで霜まみれになったものとみられ、もう午後3時も近いと言うのに水滴だらけ、そしてアウターまで着込んで下りてきた私は、全身汗まみれになっていたのでした。


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