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リベンジ!酉谷山避難小屋からハンギョウ尾根
(度付きスポーツサングラスショップ・オードビーのインプレッションあり)

2011/ 1/23〜24


小屋からの風景

                  


 1月24日 (2日目) 

 夜半に湯たんぽを入れ替えたシュラフがあまりにも心地よくて熟睡し、目が覚めたらもう6時30分になっている。いつものように小屋の窓からの富士山の眺めもいい。小屋の外の寒暖計をのぞくとマイナス11℃を指している。水場の水は1滴1滴と滴っている。小屋内とトイレの掃除を済ませる。軽アイゼンを装着し8時40分にのんびりと小屋を出る。


酉谷山避難小屋

 文化放送のくにまるジャパンを聞きながら長沢背稜を歩く。今日は現政権のもと首相の秘書だったというジャーナリストがゲストとして出ている。あれほど文化人やジャーナリストがシンパとして後押しした現政権や現首相がいまや糞味噌に言われている。そんなことを聞いていると、必死に己が生き残るために温情も愛情も憐憫の情もなく毀誉変貌右顧左眄の激しい時代に、山は変わらなくていいなぁとつくづく思いながら歩く。


酉谷山避難小屋とタワ尾根

 ハナド岩に出てタワ尾根の全貌を見る。前回は篶坂ノ丸から金袋山(1325m)に下り、小川谷方向への踏み跡を斜面の崩壊地工事地点に出て上段歩道を歩い。もう雪に埋もれて歩きづらいだろうな。七跳尾根を小川林道が纏わりつくように走っている。


タワ尾根(左から篶坂ノ丸東尾根、材木小屋尾根、四間小屋尾根)

 ハナド岩からハンギョウ尾根の分岐である板形ノ峰(実際の地点は不詳)付近までは15分の距離にある。思ったよりきつい斜面を下りてモノレール軌道に出る。ここからは軌道に沿って賀郎橋に出る支尾根分岐まで一直線にハンギョウ尾根を下る。尾根の踏み跡は不明瞭であり歩く人も少ないのだろう。熊棚はまったく見かけることはないが、ミズナラなどの樫の木が多いということはツキノワグマの餌場でもあるということであり、新緑の季節の美しさを愛でることができても、実りの秋には熊との遭遇に細心の注意を配らなければならないのであろう。


ハンギョウ尾根 間もなくカロー谷からの作業道に出合う

 ハンギョウ尾根から賀郎橋のある支尾根に出るため、モノレール軌道から道を分ける。すぐ薄暗い植林帯に入る。それまでの落葉した広葉樹林の暖かい日差しはなくなり薄暗い植林帯に入る。急な傾斜を下る。いったん明るくなった山の中腹を歩きややもすると小川谷林道へつながる小さな尾根をやり過ごし、再び植林帯に入る。ここには黄色と赤のテープが木に巻かれている。植林帯に入った踏み跡はすぐ右に左にとジグを切る。これではっきりと支尾根に乗ったことになるので、賀郎橋までは慎重に下りるだけである。 


この先は崖で小川谷林道が白っぽく見える

 支尾根を下り切って見ると、カロー谷に沿った小道に積もった雪が丁寧に掃かれている。こんな山奥の人も訪れることのない時期に饒舌なこととは思いながら、そのような行政の手が山奥の隅々までに及んでいることに、成熟した社会の一端を見ることができる。一杯水避難小屋や酉谷山避難小屋も契約によって定期的に清掃が行われていることにはなっている。いくら契約上の報酬を伴った仕事とは言え、好き勝手に遊びで使っている場所の清掃を受け持っている地元の方にはありがとうと言いたい。


 度付きサングラス&オードビーのインプレッション 

 遠近両用度付きスポーツサングラスを探していた。これまで眼鏡店を何店舗か回ってみたが、サングラスあるいはおしゃれなサングラスはどこにでもあるが、度付きでフレームの隙間からの太陽光線を遮る登山用となるとどこにも置いていなかった。これまで雪目になって眩しく涙が出て困っていた。(雪目による目の損傷については、日経BP健康コラム「雪目に気をつけよう」参照。)


我が家でまったり午前11時30分の室内で

 今持っているサングラスは単焦点で遠近感がつかみづらかった。それに調光レンズでないことから少し暗くなると急に見づらくなって木の根などの凹凸が判別できずに引っかかったりなど登山には適していなかった。年も年だし行程管理人が年末に兌換券をくれたのを期に、かねてから行ってみたかった山と渓谷の広告にあった上野・徒町のサングラスプロショップ「オードビー eau de vie」を訪ねた。 


太陽全開午前11時45分の雪上にて

 モノトーンのシックな基調でまとめられた店舗は2つの壁面にさりげなくサングラスをディスプレイしている。この店のオーナーのプロフィールをホームページで見ると、学生時代山岳部に所属していたとのことであり山の知識も豊富で信頼が置けるとの印象をもった。 


南の陽が差し込む午後3時の小屋内で

 オードビーのオリジナルフレーム ゼットフォーZ4は若者向きの色とデザイン・スタイルであるが、ほかのカーブが付けられたサングラスに度付きのレンズを入れることに無理があることは分かっているつもりだったし、オーナーの落ち着いた説明に決意を促され、遠近両用の度付き調光レンズのZ4を注文した。

 兌換券4枚分弱を支払って出来上がってきた遠近両用度付き調光サングラスを今回の山と帰路の午後の車の運転で初めて使用してみた。その感想は、
@ 調光のスピードがサクサク
A 裸眼で見る雪面は平板に見えるが、凹凸の見え方が明瞭であり、樹木の肌などもしっかりはっきり見える
B レンズ幅が狭い遠近両用レンズながら「遠」と「近」の境目が穏やかでありストレスが少ない
ということであった。
 なにより、フレームが顔にそって目を覆ってくれる(フレームもUVカットの由)ことから、通常のメガネフレームならその隙間から入り込む太陽光線(紫外線)をブロックし雪目から守ってくれているのではないだろうか。兌換券4枚弱は致し方ない、か。


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