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小川谷林道通行止め!ヨコスズ尾根〜酉谷山避難小屋(往復)
2011/ 4/22〜23


ミツマタ(ヨコスズ尾根)


 4月22日(金) 1日目  

 1日目の予定は、東日原から日原鍾乳洞の先の燕岩や籠岩を仰ぎ見ながら車を進め、まず人形山東尾根を上段歩道に取り付きます。そして金袋山、篶坂ノ丸に出る予定でした。このルートのどこかにピンクの花が咲いているというので、この時期を逃すわけにはいきません。そしてタワ尾根をウトウノ頭の方へ歩くともう少し薄いピンクの花が咲くというのです。2日目の天気予報は降雨確率80%ですが、どうしてもこの時期に咲く花を見たくて小川谷林道へと向かいました。

 
ヨコスズ尾根入口(2011.4.9)

 日原川と小川谷が合わさる橋を渡って日原鍾乳洞の手前まで行くと道路が封鎖されています。落石があって危険なので登山者も立ち入り禁止と書かれています。ここまでの間にそのような看板などなかったので、「なんだよな〜。」という気になりますが、そうも言っていられません。お花見に坪山に転身しようか、それとも天祖山から長沢背稜に出ようかと考えながら日原林道に入って見ますが、林道の幅が狭く駐車スペース探しに苦労しそうなのでUターンし、ヨコスズ尾根から酉谷山避難小屋へ向かうことにしました。(下山後に調べてみると、日原林道も工事のため車両通行止めとのことで、ここも通行止めの現場まで行かなければ、そのことは分からない仕組みになっていたようです。)


こころない仕打ち

 もう10時を過ぎてしまいました。東日原に戻って車を止め登る支度をしていると、あいさつする人がいます。酉谷山から下りてきたそうですが、小川谷林道が歩けないこと、ヨコスズ尾根ですれ違った人は1人だけだったことを聞きます。奥多摩から東日原までの山々では新緑が萌え、ヤマザクラやミツバツツジがきれいに咲いています。このような時期に長沢背稜を目指して登る人が1人だけとは何とも今回の東日本大震災が山登りをする人たちに与えた心理的影響がいかに大きいかということがよく分かります。あいさつをしてくれた方は昨晩酉谷山避難小屋に泊まったそうですが、所用があって下りてきたもので、もう1泊するそうです。


小川谷林道上部崩壊場所(のひとつ)

 いままでヨコスズ尾根を歩くときは、いつも巻き道ばかり歩いていました。巻き道は楽なんですが登山道の右側がずうっと植林なので薄暗く面白みがありません。そこで今回は、尾根通しに進んで滝入ノ峰を通ってみることにしました。巻き道からこの尾根を歩いている人を見かけることもありますが、踏み跡ははっきりしてはいません。しかし、尾根を忠実にたどればいいだけのことですから、小川谷が見えるところだけ尾根の北側斜面を歩いてがけ崩れの様子を見ることにしました。燕岩か籠岩かは判然としませんが、崖の中間が崩落し白い岩肌を見せています。その場所の右側に黒く落石防止用のフェンスが見えますが、このような工事がなされるまでの間、この崩落個所の下を通ることはできないのは自明です。


滝入ノ峰

 どんどんと尾根を登っていくと、顕著なコブを登ることになりますが、滝入ノ峰はもう一つ先でした。ずいぶんと前に付けられたであろう標識があるだけの頂上です。ここから急な斜面を下って次のコブに向かいますが、ここから巻き道に出合うまでの稜線はとても狭く両側とも急峻ですから注意して歩きます。標高が上がってきたので馬酔木が見られますが、そのほかにこれといった樹木・草花があるというなところではありませんでした。最後の急斜面を下るとヨコスズ尾根の巻き道に合流し歩きやすくなります。


ヨコスズ尾根

 ここから一杯水避難小屋までは歩きやすい尾根道です。特に展望がいいとか春の草花があるとかというところではないので淡々と歩くと、ひょこんと一杯水避難小屋が姿を現します。小屋で昼食をとることにしたのですが、時間がたっぷりあるので急ぐ必要もなく1時間近くも休んでしまいました。長沢背稜の道を酉谷山避難小屋へと歩くと、だんだんと天気が悪くなってきて雲の流れも速くなってきました。小屋に着くころには雨粒も落ちてきたのですが、どうにか濡れずに済みました。

 小屋には駐車場で会った人が先に着いていました。滝入ノ峰を歩いているうちに巻き道を通ってきたようです。そういえば、一人登って行ったという人は途中ですれ違い下山して行ったのに、長沢背稜に真新しい足跡があって酉谷山方向へ向かって行っているのでおかしいなと思っていたのですが、これで疑問が解けました。いつもと同じように小屋での酒を楽しんで、いつものようにあっという間に夢の世界へと沈んでいきます。


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