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金袋山から巡視道 上段歩道に下りて酉谷山避難小屋へ
2012/11/30〜12/ 1


酉谷山


 11月30日(金) 1日目  

 11月4度目の長沢背稜へと向かいます。今回は一石神社からタワ尾根を登り、金袋山手前の水源巡視道を下りて上段歩道を歩き、三又から酉谷山避難小屋目のコースを歩きます。時間的には7〜8時間になるでしょう。上段歩道を歩くのはこれで3回目です。2011年3月の大震災以降歩く人も稀と思われるので、どの程度コースが荒廃しているのか気がかりです。上段歩道は途中から自然林となり、新緑のころには素晴らしい雰囲気になるところで、大好きなコースです。過去2回とも人に会うこともなく静かなのがうれしいところです。


上段歩道で

 いつものように東日原に車を停め、一石神社から急坂を登ります。しばらく登ってベンチで一休みし一石山への尾根にのってからは緩斜面となり、ミズナラの巨樹への看板が見えたら直登し、巨樹を右手下に見ながらタワ尾根に乗ります。どんどん登って行って、もうすぐで金袋山というところで東京都水道局の巡視道が交差すると、その巡視道を小川谷に向け下りていきます。思いのほか東日原の方向に戻る様にしてようやく、どうにか上段歩道に合わさります。上段歩道に合わさると左に進路をとるのですが、すぐ先の崩壊斜面(法面)の工事は終わり、モノレール軌道も撤去されたようです。


1325m手前の巡視道から上段歩道に約300m下り、崩壊斜面までのログを録った

 この標高差300mというのも、なかなかのものです。道は自然林の中の上等な踏み跡程度ですが状態は概ねよく、途中から植林が上段歩道まで続きます。崩壊したところは1か所(問題ないヘアピンカーブ)、崩壊しているが靴幅の通り道があるところ1か所で、あとは多くの鹿とあいさつしながらの歩きとなります。


上段歩道

 上段歩道は、急斜面に石垣が組まれたり桟道が架けられたりして快適な歩行を約束してくれています。途中の沢に水場(伏流水が出ている。それ以外は鹿が多くて汚染されている?)があったり、美しい渓相があったりで新緑のころは是非ゆっくり歩きたいところとなっています。もう四軒小屋尾根かなと思っているとそこはまだ材木小屋尾根だったり、タワ尾根から延びる小さな尾根をやり過ごしながら、ようやく見覚えのある四軒小屋尾根に到着します。


流れの右に湧水

 四軒小屋尾根は、ウトウノ頭から下ると上段歩道と合わさる場所が確認しずらいかもしれません。唯一「水源かんよう林」「保安林」と書かれた看板が目印です。この分岐にテープ類は(少)ないものの、上段歩道から小川谷方向に進むと少しテープが巻かれています。下の画像の風景を覚えておくといいでしょう。


白〜→ウトウノ頭から小川谷(三又)への道
赤〜→上段歩道(日原鍾乳洞方向)
ピンク〜→上段歩道(急に踏み跡が薄くなる。急斜面)

 上段歩道から四軒小屋尾根を小川谷に向かい、最初は平板な尾根を歩きしまいに斜面を大きなジグを切って200mほど下りていきます。小川谷の沢の流れが聞こえ、流れが見えだすと流れに沿って道は三又まで続きます。三又がそろそろかなというころに水平道に合わさりますが、この右手に延びる水平道は通行禁止となってトラロープが張られています。(この道は上段歩道に延びていますが、上段歩道にあるこの道への分岐にもパウチされた注意書が掲示されています。)

 
三又から下流を見る

 ようやく三又に着きました。ここまで5時間20分もかかって時刻は午後1時20分となっています。そろそろ昼食タイムとしないとエネルギーが枯渇しそうです。三又の綺麗な風景を眺めなに癒されながらの休憩はぜいたくな時間です。とは言っても陽が傾いてきました。ここから酉谷山避難小屋までは600mも登らなければなりません。


旧酉谷山小屋

 小川谷をしばらく登ると旧酉谷小屋です。ようやく耐えているもののもうすぐ朽ち果てるといった様子です。すぐ上の伏流水が湧き出た流れの傍にあって、かつては泊まりには最高の場所だったのでしょうが、東斜面の末端にあって、さらに巨樹に囲まれているので陽当たりはよくなさそうです。それでもこの小屋を使ったという記録も散見されるので、稜線の避難尾小屋まで届かない人には多少の安心を与えてくれる屋根がまだしっかりしているということだけでもめっけものでしょう。


上流から見た旧酉谷小屋

 小屋の先で水の流れが無くなると、巨樹の間の道を辿ります。そのうちにカラマツと樫類の木が混生し、カラマツ主体になるまで登り詰めると道が右手にトラバースし、ようやく酉谷山避難小屋に到着です。この日はガスがかかっていたので小屋は見通せませんでしたが、晴れていれば直登の途中、樹林のすき間から右手に見ることができるのでほっとするところです。


いつもの小屋

 小屋の戸を開けると一人シュラフに包まって寝ています。声を掛けるとこの小屋で何回かお会いしたタワ尾根が大好きで20回ほど歩いたという男性でした。さすがにもう飽きたらしいのですが、それでも毎月奥多摩の山々のロングトレイルを楽しんでいるそうです。この日の小屋の外気温は1℃でそう寒くはないのですが、寒い寒いと言っておられます。聞けば着替えを持っていないということで、ならばさもありなんというところでしょう。ウールの下着に着替えて上下ともダウンのインナーを着用した私は、ヌクヌクと酒を飲みながら、トランギアのメスティンでお米を炊きます。おじさんと山の話などしているうちに夜の帳が下りて、そろそろ寝ようかという時間になったころ、青(中)年が遠慮がちに戸を開けます。鴨沢から雲取山を経由して来たという健脚の持ち主でした。 


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往路    復路   
 着  地点 発  着  地点  発 
   東日原P 0755    酉谷山避難小屋 0920 
0820  一石神社  0820  0920  タワ尾根分岐  0920 
0855  ベンチ 0900  1130  ウトウノ頭 1135
0920  一石山  0920  1205 篶坂ノ丸 1205 
0940 巨樹  0940  1230  金袋山 1230 
1020 巡視路分岐 1025 1250 巨樹 1250 
1050 上段歩道 1055  1310 一石山  1310 
1145  材木小屋尾根    ベンチ  
1220  25|26標識    1340  一石神社 1340 
1235  四間小屋尾根 1325  1410 東日原  
1320  三又 1340       
1445   旧酉谷小屋 1450   
1550  酉谷山避難小屋    
 所要時間 0700 所要時間   0450