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酉谷山避難小屋から大ネド尾根を下る
2012/ 3/22〜23


大ネド尾根下部のGPSトラック  @
―――参考にしたFUYA0123さんの登りルート 
A―――(紫)今回の下山ルート


 3月23日 (2日目) 

 昨晩のビールと雪っこ(陸前高田市の酒造会社「酔仙」が震災後に岩手銘醸株式会社の醸造施設を借り受けて作ったにごり酒)は、この世のものとは思えない旨さでした。昨日は、フクジュソウの写真を撮ったときもザックを下ろすことなく、途中の休憩もそこそこに昼食も摂らず6時間35分歩きづめで小屋に着きました。もう(お腹周りは除き)体にエネルギーは残っていないような状態だったので、深く酔ったのでした。それでも持参した材料で焼き肉だけはしっかり作り、食べ終えたらそのまま奈落の底に・・・。


ようやく雪も融けてきて

 2日目は雨の予報なので早く出ようと予定していましたが、空は意外に曇っていません。小屋ノートを見ると前回の泊まり以降何人かがノートに小屋の印象などを書き留めています。誰もがこの小屋を使ったことへの感謝の言葉や、小屋が綺麗なことへの驚きの気持ちを綴っているのです。しかし、どこにもそのような気持ちに逆らった行為をする者はいるものです。ただ、願うのは小屋を燃やさないでほしいということだけ。世を拗ねて悪さをする大人やランタンをケチって受け皿も使わずローソクを燃やし木の窓枠を焦がしてしまう者など・・・。人は十人十色、善人も悪人もいてのこの世ですからまあ仕方のないことです。


心ない仕打ちです。


こんな跡がいっぱい

 


雪がてんこ盛り

 小屋はたばこの吸い殻がなぶりつけられているほかはきれいです。ゆっくり出発することにしてしまったので、ひと通り掃除をしてようやく出発します。雪がちらついてきました。七跳山から大平山へ向かいますが、昨日、こんなに多かっただろうかと思うほどの雪です。大平山から先は昨日であった男性がスノーシューを使って下りていますが、ツボ足ではそのトレースを使うことができません。昨夜の睡眠で、ある程度体力が回復していることと下り斜面が多いことから、快調に進みます。


大ネド尾根分岐

 男性は(私の記憶では)大ネド尾根を下りると言っていましたが、足跡は大ネド尾根分岐を峠ノ尾根に向かっています。ここを通過したのは遅い時刻であったろうし、車をさくら湖に置いているということから順当なコース取りと思われます。さて、分岐から初めての尾根を下りますが、地図にルートが載っているわけでもありません。秩父の山で初めての尾根を下ることに一抹の不安がありましたが、その不安は的中したのでした。分岐を分けて下るとすぐはスズタケが刈り払われ快適です。その後も巨木、自然林というような樹相の緩やかな斜面を下ります。標高985m付近の広い尾根で鹿の足跡を追って歩き斜面で足を滑らせ体を持っていかれましたが、近くに木があって停まります。GPSを使って軌道を修正し、985mの大々的な間伐作業が行われている二股に分かれている尾根を右に間伐地を見ながら左手の尾根に進み下ります。(ここがこの尾根を下るときの注意か所の一つ)


大ネド尾根への分岐からすぐの様子

 右手に植林地、左手に谷筋が見える自然林となったところを下ります。FUYA0123さんのログは標高710mで左に折れ水道施設方向の細い尾根に付いているので、それを参考に下りて行くとどうも雰囲気が違い、踏み跡も谷筋に消えてしまいそうです。「秩父の山で道に迷ったら絶対沢を下ったらだめだよ。」と地元の人からの忠告通り軌道修正をして急斜面を這い上り、朽ちかけた作業小屋を目指します。作業小屋へは崩れそうなかすかな踏み跡しかありませんが、小屋の先はいつしかは人に歩かれたというような痕跡がありました。その踏み跡は(このページのトップのGPSのルート画像にある点線で記した)尾根の下部でぶつかっているので、この尾根が大ネド尾根の素直なルートと判断するのでした。


大ネド尾根へは「保安林」のプレートの先に朽ちた作業小屋があり、小屋にぶつかると左手に延びる道を行く

 作業小屋からの踏み跡を少し歩くと細久保谷を流れる川の音が聞こえ、そのうちに天目山林道も見えてきますが、最後まで踏み跡を辿ります。途中で踏み跡を離れて斜面を下りることも考えられますが、擁壁があるので危険です。最後まで踏み跡を辿ると(点線の)尾根にぶつかります。尾根を見上げるとはっきりした踏み跡があり、間伐作業のためと思われるピンクテープがたくさん付けられています。


そのまま下っていたらこんなところに出たかも

 合流した尾根を少し下ると左手に大きな石があり、明瞭に開かれた道を素直に下って朽ちた作業場に出合います。そこから林道に下りて、峠ノ尾根の分岐から約2時間の長旅がようやく終わりました。やはり初めての尾根はまず登りで使ってからという(私なりの)セオリーを無視してはいけないという刺激のある大ネド尾根でした。


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