[HOME][2日目][酉谷山避難小屋訪問記録一覧]


タワ尾根からいつもの酉谷山避難小屋
2012/ 9/14〜15


酉谷山避難小屋


 9月14日・金曜日 (1日目) 

 北アルプス黒部五郎岳から薬師岳縦走だったところを、秋雨前線の影響を考えて南アルプス千枚岳から聖岳に行き先を変え、ほとんど準備が整った出発前日の夕方、駅の階段の下りで左足に強い違和感を覚えたのでした。これではテントを担いでの4泊は無理だろうと中止を即断。しかし、休みをかためて取っていたので、足に負担をかけて痛みの出るところをはっきりさせてから(注)病院に行こうと、タワ尾根を登ることにします。こんな里山でも標高差1,000mもあり結構ハードな歩きになるので、万一の時には這ってでも下りなければなりません。(注)普通こんなときは山には行かず、たっぷり入浴しストレッチをするなどして筋肉の緊張を解き、痛みを完全に消失させるのが当たり前のことのようです。


一石神社上部 奥に燕岩

  東日原の(無料)駐車場に車を停めて身支度を整えている間も晩夏の太陽は容赦なく照りつけます。気温28度。ゆっくり車を走らせてきたので、出発は10時になってしまいました。その上、今の足の状態では何時に着くことができることやら。通常で6時間のコースですから、今回は7時間程度で着くことができれば上出来と思うのですが・・・。


東日原の集落から稲村岩

 平日の、こんな遅い時間に山に行くような人はいないようです。東日原の集落を抜け一石神社へと歩きますが、暑さも相まってきついことこの上もありません。神社の岩盤から湧き出る清水をいただいて、タワ尾根の急斜面に取り付くことにします。今回、タワ尾根を登ることにした理由がもう二つあります。一つ目は、5月12日に実施された横浜のNPO野外活動(自然体験)推進事業団が実施した「鍾乳洞と水源林 第2回奥多摩(青梅-日原)トレイルラン大会」が、大会のためにベタベタと木々に括りつけた荷造り用のビニール紐やトラロープ、ルート案内の跡始末を見たかったこと、もう一つは、9月1日〜2日に無名山塾の岩崎元郎大先生に率いられた20人の安心登山者養成講座「山小屋以外の宿泊法/奥多摩・タワ尾根」がどのようにして収容人数わずか5〜6人の小さな酉谷山避難小屋で宿泊し、あるいはテントやツェルトを設営したのかも知りたかったのです。


 まず、結論から言うと、トレランの跡始末は、概ね90パーセントは行われたようです。尾根上に多く残る大樹を縫いながら踏み跡が続く素晴らしい自然環境のタワ尾根の、その場所にいつまでの残されているルート案内のための荷造り紐などは、きちんと回収してもらいたいものです。
 酉谷山避難小屋を使うと言っていた無名山塾の20人のツアーは、予定の9月1日には宿泊はしなかったようで、静かな小屋の雰囲気がそのまま残っていました。・・・ということで、一安心。ただの避難小屋を使って料金20,000円も徴収した挙句、5〜6人が利用して精いっぱいの酉谷山避難小屋に、それも週末の一番混む日にこれほどの人数を集めて商業登山を企画するとは、登山界の先導役も地に落ちたものです。これを実際に行っていたとしたら、当日の一般登山者との間に軋轢が生じたことでしょう。


長沢背稜 タワ尾根合流地点からすぐ先

 一石神社からの急な斜面に先行者の足跡はありません。滴り落ちる汗を我慢しながら黙々と登ります。本当だったら今ごろ爽やかな初秋の風に吹かれながら千枚小屋に向かっているのに、なんだこの汗は・・・、と言うぐらいの暑さです。それでも、支尾根のベンチには通常どおりのタイム+αで登ることができたのでした。と言うことは、足は登りは問題ないんです。そうは言っても歩幅はいつもより狭くしないと違和感を覚えます。もう休んでもいいかなと思ったところが金袋山でした。ポツポツと雨が降り出し、空も暗くなってきたので合羽を着込みます。気温が急低下してきたし、15デニールの生地のゴアテックスだったからでしょうか、それほど蒸れなかったのですが、1時間ほどして合羽を脱いだ時の爽快感は格別でした。


なでしこ

 いつものとおり、篶坂ノ丸、ウトウノ頭、大京のクビレと進んでいきますが、やたらめったら荷造り用のビニール紐が括り付けられています。その間隔は手を広げた分か、その2〜3倍分で、見苦しいことこの上ありません。よくこれだけ括り付ける根気があるものだと思うほどです。まあ、人それぞれですから・・・。たぶんこの人は大京のクビレで撤退したのでしょう。それ以降は、あれほど執着して付けた紐が一つも見当たりません。よかった!


ビーフとにんにく

 ハンディを背負いながらもどうにか長沢背稜に出合いました。ここからは、通常なら1時間コースです。しかし、ここからいったん200mほど標高を下げるようになると、もう足が痛くてたまりません。それは骨の傷みで、それを庇うために筋肉も悲鳴を上げてきます。いくら長沢背稜が巻き道だといっても始終小さなアップダウンを繰り返します。ようやく酉谷山避難小屋が見えた時には、ホッと一息つきました。そして、長沢背稜や小屋への道の様子から、今日は貸し切りのようなので、よかった、よかった!


焼きそば

 小屋の水場はちょろちょろでしたが、さっそくビールを冷やします。5か月ほど訪れることのなかった小屋ですが、小ざっぱりした内部はいつものとおり、トイレも綺麗で臭いわずか、最高です。なお、銀マットや毛布は除去されていました。まあ、それはそれで一つのありようです。ビールが十分冷えたので、晩餐開始。その後は本を読みながらたっぷりある時間を過ごすのでした。


[HOME][2日目]

 往路(1日目)    復路(2日目)
 着  地点  発
 着  地点  発
   東日原 1005    酉谷山避難小屋 0900
1040  一石神社 1045 1000  七跳尾根分岐 1005
1115  ベンチ 1130 1050  ハナド岩 1155
1230  ミズナラの巨樹  1230  1130  一杯水避難小屋 1300
1253  金袋山 1310 1440 東日原
1340  篶坂ノ丸 1340  
1435  ウトウノ頭 1440    
1530  長沢背稜 1535    
1645  酉谷山避難小屋     
 所要時間(休憩含む) 0640    所要時間(休憩含む) 0540